- お名前
- 吉永 辰哉さん
- お勤め先会社名
株式会社レッジ
https://ledge.co.jp/
- 業務内容
- コンサルティング
データマネジメント
メディア事業
- 職務内容
- データサイエンティストとして開発やコンサルティング
Q、吉永さんはどのようなお仕事をされているのでしょうか。
データサイエンティストとして、大きく4つの役割で活動しています。
・機械学習アルゴリズムの実装やデータ基盤の構築
・データサイエンス案件のプロジェクトマネージャー
・データサイエンスに関するコンサルティングや営業活動
・データサイエンススクールでの講師活動
もともとは、ソフトウェアの開発ベンダーで営業をしていましたが、そこからデータサイエンスを勉強し、データサイエンティストになったという経緯があります。
「セールス」 ✕ 「データサイエンティスト」という位置づけで、他のデータサイエンティストとは差別化を図っていて、クライアントに寄り添った位置で活動できることを強みとしています。
また、自らの学んだという経験を活かし、データサイエンススクールでの講師も担当しております。
Q、なぜCBASを受検されたのでしょうか?
CBASは、存在を知ったタイミングで即受検しようと思いました。
データサイエンティストの定義にもよりますが、私の環境では求められるスキルの領域は広く、コードを書いて実装するだけでなく、プロジェクトマネージャーとしてプロジェクト推進の役割も求められます。
そのため、データサイエンス領域全体に対して、知識を持っている必要があるのですが、それを対外的に証明することは非常に難しいと感じていました。
しかし、その証明がまさにCBASだと思っています。
データサイエンスのスキルとして、例えばPythonが書ける、SQLが書ける、機械学習がわかる、統計学の知見があるなど、色々とありますが、これらを部分的に証明するのではなく、全て網羅的に最低限は理解していると言えることで、その人の価値も高められると考えています。
特に私の場合は、クライアントに合わせて、幅広い領域の中での柔軟な対応をすることが求められていますので、このスキルの証明の仕方はとても相性が良いです。
「まだジャンルは決まっていないけど、今後AIやデータ活用の業務に関わっていきたい」という人には、特に向いている資格だと思います。
Q、試験を受けての感想を教えてください。
範囲がとにかく広く、網羅的に知識を持っているかを問う資格という印象です。
また、実務で使われる内容が問題になっていたので、試験のために学ぶというだけではなく、その先で実際に活用できる知識だと感じました。
Q、これから受検される方に、この準備はしておいたほうが良いなど高得点の秘訣を教えてください。
試験範囲となる分野の書籍の基礎をしっかり読むこと。幅広く基礎をおさえておくことはとても重要だと思います。苦手な部分に関しては、練習問題を解くなどの準備も必要だと思います。
あとはモチベーションを高く持つこと。この資格は必ず役に立つと信じることです。
Q、CBASを受験することがビジネスパーソンにとって価値に繋がると思いますか?
ビジネスパーソンにとって、絶対に役立つスキルだと思います。
世界的にデータサイエンス人材が不足していると言われており、今後もAIやデータ活用のニーズはさらに高まっていくと考えられますが、その中でデータサイエンス全体のスキルを網羅的に持っていることが証明できれば、どんな環境でもその人のニーズは高まるのではないでしょうか。
もっと言うと、データサイエンスという専門性を得ることで、キャリアにその人なりの色が出ると思います。
今いる環境、業界や職種にデータサイエンスというスキルを掛け合わせることで、差別化したキャリアを形成できると考えられるからです。
私自身も「セールス」 ✕ 「データサイエンティスト」の人材として、他の人と差別化を図ることで、自分なりの価値を出していくようにしています。
Q、データ分析に携わるプロジェクトマネージャーだけではなく、専門的な位置にいるデータサイエンティストもこの資格は受ける価値があると思いますか?
データサイエンティストは、自分の「弱みを確認する」機会として、また「知らなかったことを知る」機会として、このCBASを受検する価値があると思います。
データサイエンティストといっても、多様なプロジェクトを幅広く担当する方から、目先の業務に特化されている方まで、いろんな方がいると思いますので、環境に依存しない、どこでも通じる汎用的なスキルが自分にはあるかという確認をすることができます。
私自身も、自分のスキルに不足している部分があるかの確認になったと感じています。
また、出題範囲には契約関係のことも含まれますが、データサイエンティストでわからない方も多いと思います。私は営業出身なので、まだ馴染みがあったのですが、エンジニア出身の方だと、普段は契約書などを意識する必要がないので、そういった気づきも得られると思います。
契約周りの知見は、AIや機械学習プロジェクトの中でも非常に重要な部分なので、実務スキルとして、特にフリーランスを意識している方は学ぶ必要があると思います。
Q、吉永さんの目からして、ここ数年、AIやデータサイエンティストの知識を持った人が増えたようなイメージはありますか?どのような変化を感じますか?
私のまわりでは、機械学習アルゴリズムの名前くらいは知っているという人にお会いする機会が増えた気がします。
ランダムフォレストとかLightGBMとか、おそらく業務の中で目にする機会があったからだと思いますが、ビジネスの中にAIや機械学習が浸透し始めているからだと思っています。
さらに、それを「Pythonで実装できるようになりたい」という方も多いですね。エンジニアの方だけではなく、ビジネスサイドの方も多い気がします。
データサイエンスに自然と触れる人も、意識的に学ぼうという人も以前よりも増えていると感じています。
Q、国も高校生、大学生にデータサイエンス教育を取り入れようとしていますが、それに関してはどう考えますか?
若い世代が当たり前のように、データサイエンスを学ぶことは良い傾向だと思いますし、社会的にもその必要性が認められつつあることを嬉しく思います。
そのうち、データサイエンスが専門的なものではなく、当たり前のものとして定着するかもしれないですね。
Q、実務の中で様々なデータ分析を担当されてこられたと思いますが、スクールで教わる内容と実際の現場には、どのような違いがありましたか?
スクールで教わる内容を全て活用できるほど、現場の環境が追いついていないケースが多いと感じています。
まだデータ活用の環境が整っていないとき、そこで必要とされることは基礎的な内容であることが多いです。
その場合、基礎分析から今あるデータで何ができるかを提案したり、そこからデータマートを作成したり、データが足りないなら、収集方法を検討したり、いわゆるデータ活用の第一歩が必要とされます。
しかし、そこでいきなりディープラーニングを検討したり、とりあえず予測モデルを構築することで失敗するプロジェクトというのが一定数存在すると思います。
やはり、基礎が重要だと思っていて、アルゴリズムをPythonで実装できるというだけでは、不完全だと思います。
そういう意味で、一連の流れを学べるビジネススクールは、全体像が見えるようになるので、そのあたりの判断ができるようになりますね。
未経験の方が、データサイエンスを基礎から学ぶことなく現場に出てしまうと、そこが全てと感じてしまい、他の環境では同じことが通じないということもあると思います。
Q、今後もデータ分析の必要性は変化していくのでしょうか?
さらに必要になってくる分野だと考えています。
取れるデータの種類も量も、今後増えていく見通しの中、それをうまく活用することは、成果を最大化するという意味では重要な要因になってくると思います。
企業が競争に勝ち抜くという点においては今後必須となるのではないでしょうか。