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データミックススクール|第35回 データミックス卒業発表会

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データミックススクール|第35回データミックス卒業発表会

昨年12月8日に、2024年5月期「データサイエンティスト育成講座」「プロダクト・データアナリスト育成講座」の卒業生による卒業発表会が開催されました。また、今回は会場限定イベントとして、ピープルドット社員とデータミックス講師による特別企画を実施しました。卒業発表会は、受講生一人ひとりが自ら研究テーマを決め、約7ヶ月(※)にわたり学んだ成果を発表する場です。(※カリキュラム改訂により現在は約9ヶ月)卒業生たちは、所属先企業のビジネス課題や社会的に注目度の高い課題など、自身の直面している課題からテーマを決め、研究に取り組みました。今回は、特に優秀と評価された、3名の卒業生に発表していただきました。
 
以下、各発表についてご紹介します。
 

1.コミュニティプラットフォームの新機能提案
(プロダクト・データアナリスト育成講座)

プロダクト・データアナリスト育成講座の受講生は、「コミュニティプラットフォームの新機能提案」に取り組みます。共通のお題ですが、具体的な分析テーマの設定はしていないため、受講生自身が独自の視点でKPIやKGIを設定し課題を見付け出し、課題の解決に寄する新機能を提案する、実務に即したお題です。膨大なデータを分析し、仮説を構築する力、要件を定義する力が重要です。今回の発表者はアクティブユーザーを細かくカテゴライズすることで課題の仮説を設定し、SQLを駆使して仮説を深掘りし、新機能の提案につなげました。さらに、提案した新機能を実現した場合の効果検証も、講義で学んだ知識を応用し計画に盛り込みました。その分析力と提案力が高く評価され発表者に選出されました。

2.東長距離走における持久力およびトレーニング効果予測モデルの構築と解釈 〜2400kmの走行データが示すシリアスランナーの持久力向上法〜
(データサイエンティスト育成講座)

発表者は18年間、趣味の長距離走を続けており、長距離走に関するデータ分析を、卒業研究の課題に設定しました。当初はフルマラソン完走タイムを予測すべく、様々な分析を試しましたが有効な特徴が見つからず、最終的に「持久力とトレーニング効果のモデル構築・解釈・予測」に取り組みました。分析のゴールは「効率的な練習計画のレコメンド」と「トレーニング効果の事前把握」とし、練習日の気温や距離、心拍数、ペースなどを用いて分析を行いました。通常時の練習では精度の高い予測が得られたものの、大会の前後など、強度の高い練習の後では、予測の精度が低下しました。そこで、疲労を考慮した特徴量を追加し、CatBoostや重回帰分析を組み合わせたモデルで精度を改善したことで、強度の高い練習の後でも精度の高い予測を得ることができました。

①ドメイン知識を活かしたモデル構築②自分をサンプルにした評価・解釈・検証が高く評価されました。分析テーマを「自分ごと化」し、試行錯誤する姿はまさにデータを用いた科学的なアプローチでした。

3.ChatGPTによる運用報告書の市況コメントのチェック業務効率化の提案
(データサイエンティスト育成講座)

投資信託業務において、運用報告書の「市況コメント」は投資家にとって重要な情報です。しかし、膨大な文章を短期間で精査する必要があり、作成側の業務負担は非常に大きいという課題があります。この問題に対し、データサイエンスの知見、特に自然言語処理を活用して業務の効率化を目指しました。本プロジェクトでは、ChatGPTを活用し、市況コメントのチェックを効率化する仕組みを構築しました。具体的には、過去の運用報告書、ニュース記事、TOPIX価格データを用いて市況の要約(チェック用コメント)を生成。その後、運用報告書の市況コメントと生成されたチェック用コメントを比較し、内容の精度や有用性を評価しました。結果として、解決すべき課題(特に著作権に関する問題)は残るものの、チェック用コメント作成にかかる人数や時間を大幅に削減できる可能性が確認されました。また、運用基準をさらに精査すれば、実際のビジネス運用も十分に実現可能であると講師から高い評価を得ました。

この取り組みは、運用報告書作成プロセス全体の効率化に寄与するだけでなく、他分野への応用の可能性も秘めていることから、今後の発展が期待される重要な一歩と言えるでしょう。

皆様、7ヶ月間の学びの成果を存分に発揮いただいた発表でした。惜しくも発表者に選出されなかった方も含め、卒業生皆様のご活躍をデータミックス一同、引き続き応援してまいります。
また、今回は会場限定イベントとして、ピープルドット社員とデータミックス講師による特別企画を2つ実施しましたので、その様子もご紹介します。

1. Difyワークショップ

第一の企画「Difyワークショップ」では、プログラミングなしでAIアプリケーションの開発が体験できるセッションを実施しました。チャットボットに個性を持たせるキャラクター付けや、知識の学習方法、さらには質問内容から自動生成されたウェブ検索ワードによる情報要約の仕組みもリアルタイムで実装しました。参加者の皆さんからも実際にチャットボットへの質問を受け付けることで、ノーコード技術の活用の可能性を感じていただける企画となりました。

2. 大企業とベンチャーのデータサイエンス部門徹底比較

次に、「大企業とベンチャーのデータサイエンス部門徹底比較」では、企業によってデータサイエンス部門のミッションと役割が異なることを取り上げました。大企業の場合、中長期的な目線でデータ活用をするなかで、組織全体を変革していくことが求められます。一方ベンチャーでは短期的な成果を積み上げていくことでより大きなチャレンジができるということでした。具体例を交えたディスカッションにより、参加者の皆さんには業界のリアルな現状を理解し、今後のキャリア形成のイメージをしていただく機会となりました。

次回の卒業発表会は2025年2月24日(月祝)となります。卒業発表会へはどなたでもご参加いただけますので、皆様のお申込みをお待ちしております!

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