データサイエンティストになるためには? 必要なスキルや学習方法を解説
データサイエンティストとは、データを分析してビジネスに役…
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2023.10.30
G検定(ジェネラリスト検定)は、一般社団法人日本ディープラーニング協会主催の資格試験です。ディープラーニングを活用する際に必要な基礎知識やスキルを評価します。AIの開発に携わるスペシャリストではなく、幅広い視点でAIを活用するジェネラリストとしての能力が問われます。
DS検定(データサイエンティスト検定 リテラシーレベル)は、一般社団法人データサイエンティスト協会が主催している資格試験です。データサイエンティストとしての実務能力や知識を評価することを目的としています。「リテラシーレベル」と題された本試験は、上位者の指導の下、担当する業務を遂行できる「見習いレベル」相当の能力があるかを測ります。
G検定とDS検定の違いについて多角的な視点から見ていきましょう。
G検定の運営元は一般社団法人日本ディープラーニング協会と呼ばれる団体です。日本ディープラーニング協会は、ディープラーニング等の技術によりさまざまな産業の競争力を向上させることを目的として設立された団体です。ディープラーニングの産業活用促進やAI人材の育成、社会への提言を通し、健全な産業発展に貢献することを目指しています。G検定は、ビジネスパーソンに学びの機会を創出するための人材育成活動の一環として位置付けられています。
一方、DS検定は一般社団法人データサイエンティスト協会により運営されています。データサイエンティスト協会とは、高度IT人材の育成や業界の発展、啓発活動を目的として設立された団体です。多岐にわたる活動の一つとして、データサイエンティストに要求される知識やスキルレベルの定義・スキルリストの作成が挙げられます。
G検定は、AIに関する知識に特化した試験です。AIの定義や研究開発動向、具体的な手法に関する基礎知識が問われます。また、AIプロジェクトのマネジメントや法律・倫理に関する知識など、AIを事業活用する際に必要となる知識に関する問題も出題されます。
DS検定はデータサイエンティストとして働くうえで必要な知識を幅広く問う試験です。データサイエンティスト協会は、データサイエンティストに求められる能力を「ビジネス力」、「データサイエンス力」、「データエンジニアリング力」の3種類に分類しました。これら3つの能力を問う問題が出題されます。
「ビジネス力」はビジネス上の課題の背景を理解し、解決する力のことです。ロジカルシンキングや課題解決へのアプローチ設計、プロジェクトマネジメントに関する問題が出題されます。
「データサイエンス力」は、情報工学や統計学、人工知能といった情報科学系の智恵を駆使できる力を指します。
「データエンジニアリング力」は、データサイエンスを、実際に実装・運用する際に必要となる知識です。データの収集や蓄積、加工の方法、データベースの構造やプログラミングに関する知識が問われます。
G検定はそれほど難易度が高い試験ではありません。合格率は60~70%であり、初学者の方でもある程度勉強すれば合格できるレベルです。合格のためには、AIの定義や手法の概要といった、幅広い事項の基礎を理解することが要求されます。目安として、30~40時間程度の勉強が必要となります。前提知識が少ない方は60時間程度の勉強が必要となるかもしれません。
参考URL:https://www.jdla.org/news/20230724001/
DS検定はG検定よりもやや難しい試験です。合格率は50%程度ですが、回を重ねるほどに合格率は低下する傾向にあります。「ビジネス力」、「データサイエンス力」、「データエンジニアリング力」の3分野から幅広く出題されるため出題範囲は広いですが、合格ラインは正答率80%と高いことが難易度を挙げている要因かもしれません。また、資格の知名度が向上して実務経験の少ない受験者が増加したことも、合格率低下の要因の一つだと考えられるでしょう。
参考URL:https://www.datascientist.or.jp/dscertification/results/
いずれも多肢選択式の問題ですが、問題数や試験時間が異なります。
G検定の試験時間は120分で、問題数は200問程度です。1分あたり1~2問のハイペースで解かなければなりません。広範囲にわたる知識を深く理解していなければ制限時間内に全ての問題を解くことは難しいでしょう。
DS検定は試験時間が90分、問題数は90問程度となっています。G検定より1問にかけられる時間は長いものの、確率や統計、行列といった計算問題も出題されるため、油断はできません。選択肢も紛らわしいものが多く、回答に時間がかかる問題も散見されます。
G検定は自宅で受験できます。自宅のパソコンから試験用のマイページにアクセスして受験するという形式です。
DS検定の受験場所はテストセンターです。「CBT(Computer Based Testing)」方式の試験で、試験申し込み時に好きな場所のテストセンターを選択できます。集合時刻に遅れると受験できませんので、時間に余裕をもって会場に向かいましょう。
G検定は1年に3回以上開催されます。また、2023年は試験が5回開催される予定であり、これは学びの機会を増やすためとのことです。2024年以降の開催回数は未定です。
一方、DS検定は年2回しか開催されません。少ないチャンスを逃さないよう、入念に勉強して試験に臨みましょう。
いずれの試験も基本的に過去問は公開されていません。市販の参考書や問題集に掲載されている模擬試験問題を活用しましょう。ただし、G検定では、公式サイトに過去問が一部だけ公開されています。
参考:https://www.jdla.org/certificate/general/issues/
また、「ディープラーニングG検定(ジェネラリスト) 法律・倫理テキスト」という本に法律や倫理に関する過去問が掲載されています。
前項では、G検定とDS検定の違いを見てきましたが、ここでは両者の類似点、共通点を見ていきましょう。
G検定とDS検定はいずれも初学者向けの資格と位置付けられています。「デジタルリテラシー協議会」という団体は、全てのビジネスパーソンが持つべき基礎的ITリテラシーとして、「Di-Lite」を発表しました。
「Di-Lite」で学習すべき範囲には、G検定とDS検定の出題範囲も含まれています。G検定とDS検定は、デジタル技術を使うビジネスパーソンが最低限身につけておくべき知識を測る試験といえるかもしれません。
いずれの資格も実務経験や資格の修了などといった特別な受験資格は設けられていません。誰でも受験可能です。
G検定やDS検定を取得することにより、転職活動が有利になる可能性があります。G検定はAIに関する基礎知識、DS検定はデータサイエンティストとしての基礎的な能力を有していることを証明できます。実務経験がない方でも学習意欲をアピールできるため、キャリアチェンジを目的とした転職にも役立つでしょう。
G検定とDS検定の違いや類似点は理解できたけれど、どちらを受験すべきなのだろうかと迷われている方もいらっしゃるかもしれません。そのような方に向けて、それぞれの資格の特徴を踏まえて、どのような方におすすめなのか説明します。
G検定は、立場に関わらず、AIを活用する可能性のある方におすすめの資格です。公式ページでも、「デジタル時代のビジネスに関わるすべての人にオススメしたい資格試験」と紹介されています。
参考URL:https://www.jdla.org/certificate/general/start/
幅広い知識を持ち、エンジニアと連携してAIの活用を推進するジェネラリストを目指す方向けの資格ともいえます。将来AIエンジニアとして活躍したい方が最初の一歩として取得してもよいでしょう。
DS検定は、その名の通りデータサイエンティストを目指していて、最低限の基礎知識を身に付けたい方におすすめの資格です。DS検定のカリキュラムには、データサイエンティストに求められる必要最低限の知識・スキルが含まれています。資格取得のための学習を通じて、データサイエンティストに求められるリテラシーを身につけられるでしょう。
それではG検定とDS検定、両方を取得するべきなのでしょうか。
G検定とDS検定は対象としている層が異なるため、必ずしも両方取得する必要はありません。G検定はAIに関わる可能性がある方に向けた試験です。DS検定よりも幅広い層を対象とした試験といえます。エンジニアやデータサイエンティストといったスペシャリストではなくても、AIを仕事で活用する可能性のある方は取得する価値のある資格です。
一方、両方の資格を取得するメリットとして、効率よく学習を進められるという点が挙げられます。G検定とDS検定は、出題範囲が共通している部分があります。例えば、機械学習の手法、法律や倫理に関する問題はどちらの試験においても出題されます。どちらかの資格を取得しておけば、もう一方の試験の学習にかかる時間を減らせるでしょう。
また、両方の資格を取得することで、幅広い知識を身に付けていることを証明できるというメリットもあります。
貴重な時間を割いて資格取得の勉強に取り組むなら、ビジネスの現場で役立つ実践的なスキルを身につけたいという方もいらっしゃるでしょう。
そのような方におすすめなのが、今多くの企業から注目されているデータ分析実務スキル検定(CBAS)です。
CBASと他の資格との違いは、他の資格が専門知識やテクニカルなスキルを重点的に評価するのに対し、CBASは、「実務に直結した能力を測る」ことを重視している点です。CBASは、ビジネスの現場で本当に役立つ実務能力を持つ人材を求めている企業から高い評価を受けていて、多くの企業が人材育成のツールとして取り入れています。
CBASには、以下の2つの種類があります。
・CBAS プロジェクトマネージャー級(PM級):組織横断的にデータ活用の推進をリードし、データ分析の専門家と経営陣の橋渡し役として機能するスキルを評価する試験
・CBAS シチズン・データサイエンティスト級(Citizen級):ビジネスの現場に存在するデータを的確に活用し、分析するスキルを評価する試験
CBASについて詳しく知りたい方は公式サイトをご確認ください。
参考サイト:データ分析実務スキル検定(CBAS)公式サイト
この記事では、G検定とDS検定の違いや共通点などについて解説しました。
いずれも初学者向けであり、出題範囲が被っている部分が多いものの、対象としている層が異なります。
「資格を取得するだけではなく、仕事の現場でデータサイエンティストとして活躍するための実践的なスキルを習得したい」という方は、実践的なスキルを習得できる講座の受講を検討してみてはいかがでしょうか。
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