リスキリングの補助金制度・個人向けの給付金も紹介

キャリアアップ

2023.10.18

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近年、リスキリングという言葉が注目されています。2022年10月3日、岸田首相が所信表明演説で、「個人のリスキリング支援に5年間で1兆円投じる」と発言したことを記憶している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
技術革新や経済の変動は急速に進行しており、この変化に対応するためにはリスキリングが不可欠です。そのため、国や地方自治体でもリスキリング支援のための補助金、助成金、給付金の制度を設けています。
この記事では、リスキリングをする際に活用できる補助金、助成金、給付金を紹介します。

1.リスキリングとは

リスキリングとは、従来の職業や職種での知識やスキルを更新し、新たなスキルや知識を習得するプロセスを指す言葉です。

AI技術が急速に進化し、多くの企業でDXが推進されるようになった現在、業務の内容や求められるスキルは大きく変わりつつあります。このような変化に対応するためにもリスキリングが必要です。

 

参考記事:リスキリングとは・何を学ぶべきか具体的な事例を交えて解説

2.リスキリングを支援する補助金が誕生した背景

日本国内でリスキリングを支援する補助金が誕生した背景について説明します。

 

(1)第四次産業革命により新しいスキルが求められている

 

現在は、第四次産業革命の時代です。第四次産業革命とは、AI、IoT、ロボット技術、ビッグデータなどの技術が急速に進化し、普及する現代の技術革命を指します。この革命は、産業構造やビジネスモデル、働き方など、社会全体のさまざまな側面に大きな変化をもたらします。

 

この第四次産業革命の波により、多くの職種や業務が自動化される可能性が高まっています。一方で、新しい技術やビジネスモデルが生まれ、それに伴い新しいスキルや知識が求められるようになってきました。

このような大きな変化に対応するために、リスキリングのための補助金制度が導入されました。補助金制度の目的は、企業や個人がリスキリングのための教育や訓練を受ける際の費用を軽減し、技術革命の中での雇用の安定や新しいチャンスの創出を促進することです。

 

(2)政府が「人への投資」を強化する方針を発表

 

政府は「人への投資」を経済政策の一環として重視しています。日本では急速に少子高齢化が進む中、これまで続いてきた社会保障、年金制度が崩壊しつつあります。この問題を解決するために、国民一人ひとりのスキルを向上させ、国全体で生産性を高めることが重要です。このような背景から政府は「人への投資」に力を入れるようになりました。

この「人への投資」の具体的な取り組みの一つとして、リスキリングを支援する補助金が設けられたのです。

3.補助金・助成金・給付金の違い

国や地方自治体では、リスキリングを支援するための補助金や助成金、給付金制度を設けています。これらの制度にはどのような違いがあるのでしょうか。

 

(1)補助金の主な目的と対象

 

補助金は地方自治体や国の政策を推進するために、企業に対して補助をする制度です。そのため、補助金の使用用途は政策を推進するための活動のみに限定されています。また、申請の際にも審査があり、政策に合わないと判断されれば、補助金を受け取れない場合もあります。

 

(2)助成金の主な目的と対象

 

助成金は、国や地方自治体が企業を支援するために設けられた制度です。補助金とは違い、審査はなく、受給条件を満たしていれば受け取れることが多いです。

 

(3)給付金の主な目的と対象

 

給付金は、国や地方自治体が個人を支援するために設けられた制度です。補助金や助成金と違い、個人が申請して利用することができます。助成金と同様に受給条件を満たしていれば受け取れることが多いです。

4.企業がリスキリングに活用できる補助金・助成金

企業がリスキリングに活用できる補助金・助成金を2つ紹介します。

 

(1)人材開発支援助成金

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出典:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html

 

人材開発支援助成金は、厚生労働省が実施している労働者が新たな技能を習得するために訓練に必要だった費用を一部援助する制度です。

 

人材開発支援助成金には以下の7コースあります。

・人材育成支援コース

・教育訓練休暇等付与コース

・人への投資促進コース

・事業展開等リスキリング支援コース

・建設労働者認定訓練コース

・建設労働者技能実習コース

・障害者職業能力開発コース

 

この中で特にリスキリングと関係が深い上から4つのコースを紹介します。

 

①人材育成支援コース

人材育成支援コースでは、雇用する被保険者に対して、訓練を受けさせた場合、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成しています。支給額は労働者の雇用形態や訓練の種類、訓練時間によって異なります。

 

人材育成支援コースはさらに以下の3つにわかれています。

・人材育成訓練 職種に関連した知識や技能を社外で10時間以上訓練した場合に助成

・認定実習併用職業訓練 中核となる人材を育てるために会社内外で訓練を行った場合に助成

・有期実習型訓練 有期契約労働者が正社員になるために会社内外で訓練を行った場合に助成

 

②教育訓練休暇等付与コース

教育訓練休暇等付与コースでは、教育訓練のための休暇を取得した場合に助成されます。

 

このコースには以下の3つの制度が用意されています。

・教育訓練休暇制度:3年間に5日以上の有給の教育訓練休暇を導入し、実際に適用した事業主に30万円支給

・長期教育訓練休暇制度:30日以上の長期教育訓練の制度を導入し、実際に適用した事業主に20万円などを支給

・教育訓練短時間勤務等制度:教育訓練のために労働時間の短縮をする制度を導入し、実際に適用した事業主に20万円支給

 

③人への投資促進コース

人への投資促進コースは、政府が掲げる「人への投資」を推進するために、令和4年〜8年限定で設けられたコースです。

 

人への投資促進コースでは5つの訓練を用意しています。

・高度デジタル人材訓練/成長分野等人材訓練 高度デジタル人材の育成のための訓練

・情報技術分野認定実習併用職業訓練 IT未経験者のための訓練

・長期教育訓練休暇等制度 休暇中の教育訓練

・自発的職業能力開発訓練 労働者が自発的に受講した訓練

・定額制訓練 サブスクリプション型の研修サービス

 

④事業展開等リスキリング支援コース

事情展開等リスキリング支援コースでは、新規事業に必要な新たな技能をリスキリングする場合に助成されます。令和4年〜8年の期間限定の助成金です。

幅広い範囲の訓練が対象となっているので、従業員のスキルアップを課題としている企業は活用を検討するとよいでしょう。

 

(2)DXリスキリング助成金

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出典:https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/joseikin/dx.html

 

DXリスキリング助成金は公益財団法人東京しごと財団が東京都内向けに実施しているDX推進のための支援制度です。この助成金では、情報セキュリティやパソコンソフトの利用方法など、DXに関連する幅広い訓練の費用が助成されます。

 

申請が認められると助成対象経費の3分の2(1つの会社につき、1年で上限64万円)まで助成されます。また、中小企業だけでなく、個人事業主も申請可能です。

5.個人がリスキリングに活用できる教育訓練給付制度

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出典:

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/kyouiku.html

 

次に、個人がリスキリングに活用できる個人向けの給付金制度である教育訓練給付制度について説明します。この教育訓練給付制度は以下の3つにわかれています。

 

・専門実践教育

・特定一般教育訓練

・一般教育訓練

 

それぞれの内容について説明します。

 

(1)専門実践教育訓練給付金

 

専門実践教育訓練給付金は、労働者の中長期的なキャリア形成のための教育訓練を対象としています。例えば、社会福祉士や看護師、調理師などの独占業務資格取得のための講座、ITILエキスパートやシスコ技術者認定 CCNPなどのIT資格取得のための講座、大学院・大学・専門学校などの課程などが該当します。

訓練の費用の50%(上限40万円)が訓練受講中に半年ごとに給付されます。さらに、資格取得後、1年以内に雇用されると受講費用の20%(上限16万円)が追加で給付されます。また、45歳未満の失業状態の者が専門実践教育訓練を受講する際、一定の条件を満たせば、教育訓練支援給付金が別に給付されます。

 

専門実践教育訓練の指定講座は中長期的なキャリアを見据えたリスキリングを実現できる講座が多いですが、特におすすめなのは第四次産業革命スキル習得講座 (Re スキル講座)です。第四次産業革命スキル習得講座は、多くの企業が必要としているDXを推進する人材に求められる知識・スキルを習得できる専門的・実践的な教育訓練講座として認定された講座です。

例えば、データミックスのデータサイエンティスト育成講座は、DX推進の中核的な役割を担うスペシャリストとして多くの企業が必要としているデータサイエンティストになるための基礎力と実践的なスキルを約7ヶ月で習得できる講座です。

ビジネスの現場で役立つ思考力と課題解決力を養うことを目的とした本格的な講座なので、卒業後すぐにデータサイエンティストとして活躍できます。データミックスのデータサイエンティスト育成講座について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

参考URL:データミックスのデータサイエンティスト育成講座

 

(2)特定一般教育訓練給付金

 

特定一般教育訓練給付金は、速やかな再就職、また、早期のキャリア形成のための教育訓練を対象としています。例えば、税理士や大型自動車免許などの業務独占資格取得のための講座や基本情報技術者試験、シスコ技術者認定のようなIT資格取得のための講座などが該当します。

訓練の費用の40%(上限20万円)が修了後に給付されます。

 

(3)一般教育訓練給付金

 

一般教育訓練給付金は、雇用の安定・就職の促進を目的とした教育訓練に給付されます。訓練の費用の20%(上限10万円)が修了後に給付されます。

 

この一般教育訓練は、資格取得のための講座や大学院の修士号、博士号取得を目的とした課程が対象です。

給付の対象となる講座やスクールは以下の検索システムから探せます。

参考URL:教育訓練給付制度検索システム

6.個人のリスキリングに役立つサイト

個人のリスキリングに役立つサイトを2つ紹介します。

 

(1)日本リスキリングコンソーシアム

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出典:https://japan-reskilling-consortium.jp/

 

日本リスキリングコンソーシアムでは、希望の条件に合う講座を検索できます。

 

日本リスキリングコンソーシアムでは、さまざまな企業と連携し、1,000以上のプログラムがいつでも受講できるようになっています。特に、デジタル技術に関係するプログラムが多く、ChatGPTを用いたプロンプトエンジニアリング入門、データサイエンティスト基礎講座、AWS入門講座などが開講しています。

 

また、これらのプログラムの受講後の就職も支援しています。正社員だけではなく、副業やフリーランス、アルバイトなど、さまざまな働き方にも対応しています。

 

(2)マナビDX

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出典:https://manabi-dx.ipa.go.jp/

 

マナビDXでは、デジタルスキルを身につけるための講座を紹介しています。開講されている講座は、すべて経済産業省・IPAで定めたスキル標準に基づいて4段階のレベル分けがされているので、ご自身のレベルに応じた講座を探しやすいでしょう。

 

講座はChatGPTの活用研修や、デジタルリテラシー講座などの初歩的なものから、データサイエンティスト養成コースやAIエンジニアコース、自然言語処理コースなどの高度なレベルのものまで揃っています。

 

(3)データミックスのeラーニング

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出典:https://datamix.co.jp/e-learning_cat/free-course/

 

データミックスでは、Python、機械学習、ビジネス統計、デジタルマーケティングなど、社会人のニーズに合わせた入門講座を無料で提供しています。eラーニングなので、オンラインで好きな時間にご自身のペースで学習を進めることが可能です。

各講座では、初学者でもわかりやすいように基礎から丁寧に説明しているので、Pythonや機械学習を初めて学ぶ方にもおすすめです。詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

参考URL:データミックスの無料で学べるeラーニング

まとめ

この記事では、リスキリングをする際に活用できる補助金、助成金、給付金などを紹介しました。

 

リスキリングは、現代の急速に変化する社会に適応するスキルを身に付けるために不可欠といえます。幅広い業界でDX推進が進む中、DX推進の中核的な役割を担うデータサイエンティストは特に注目されている職業の一つです。リスキリングでデータサイエンティストを目指してみたいという方は、データサイエンティスト育成講座の受講を検討してみてはいかがでしょうか。

 

データミックスでは、初学者や文系出身の方でもデータサイエンティストに必要な知識やスキルを体系的に学習できるデータサイエンティスト育成講座を提供しています。

受講料の最大70%が支給される専門実践教育訓練の指定講座として認定されている本格的な講座で、ビジネスの課題を解決するための思考力と課題解決力を養うことを重視しているため、ビジネスの現場で役立つ実践的なスキルを習得できます。

オンラインで受けられる無料の個別相談も実施していますので、「カリキュラムの詳細を知りたい」「講座を受講してみたいけれど、ついていけるか不安」という方もぜひお気軽にお申し込みください。

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