統計検定データサイエンス基礎(DS基礎)とは?難易度や勉強方法を解説

データサイエンティスト

2023.12.08

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統計検定データサイエンス基礎(DS基礎)は、データサイエンスで利用する統計学に関する基本的な知識の理解を測る試験です。データサイエンスやデータサイエンティストに関する資格を調べる中で、この資格のことを知り、難易度や勉強方法について知りたいと思われた方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、統計検定DS基礎の受験を検討している方に向けて、試験の概要や出題範囲、難易度、おすすめの勉強方法などを解説します。

1.統計検定データサイエンス基礎(DS基礎)の概要

まずは、統計検定データサイエンス基礎(DS基礎)とは、どのような知識・能力が問われる試験なのか、どのような分野が出題されるのかなど、基本的な内容を紹介します。

 

(1)統計検定DS基礎とは

 

統計検定は、日本統計学会が統計活用能力の体系的な評価システムとして開発した資格で、2011年から実施されています。試験は、CBT方式で、全国の受験センターでいつでも受験できます。

統計検定にはいくつか検定種別がありますが、データサイエンス基礎DS基礎)は、2021年にスタートした比較的新しい検定種別です。さらに難易度の高い、データサイエンス発展(DS発展)、データサイエンスエキスパート(DSエキスパート)も実施されています。

 

従来の統計検定では、統計学に関する理論的側面、データ分析方法、データ分析結果の解釈方法などが問われてきましたが、DS基礎、DS発展、DSエキスパートでは、それらの知識に加え、データサイエンスに関連する問題が出題されます。データサイエンスは、データの分析結果をビジネスに応用するための分野で、データの利活用やDX推進が急速に進む中、注目されるようになりました。

 

DS基礎、DS発展、DSエキスパートでは、ExcelやPythonを使った分析方法や、プログラミング、アルゴリズム、データベースなどに関する知識も問われます。DS基礎はその中でも、最も簡単な試験です。

 

DS基礎の試験の概要は以下のとおりです。

出題形式

コンピュータ上で表計算ソフトExcelを使って処理した結果

多肢選択や数値・文字入力で問題に答える形式

問題数

大問8題(大問1題当たり小問5問程度)、合計小問45問程度

試験時間

90分

合格ライン

100点満点で、60点以上

参考URL:統計検定 データサイエンス基礎(DS基礎)公式サイト

 

(2)DS基礎の出題範囲

 

統計検定DS基礎では、以下の3つの技能を測る問題が出題されます。

 

①データハンドリング技能

データハンドリング技能は、データを自由に操作、加工する力です。具体的には、データベースマネジメント、データマネジメント、データの可視化に関する問題が出題されます。

 

②データ解析技能

データ解析技能は、Excelでの基本的なデータ分析に必要な能力です。具体的には、質的データ、量的データ、時系列データの分析や、テキストマイニングに関する問題が出題されます。

 

③解析結果の適切な解釈

解析結果を適切に解釈する能力も問われます。具体的には、推定や検定など、確率による意思決定に関する問題が出題されます。

2.統計検定DS基礎の難易度と合格率

統計検定DS基礎の受験を検討している方の中には、試験の難易度や合格率が気になるという方もいらっしゃるかと思いますので、難易度や合格率について説明します。

 

(1)統計検定DS基礎の難易度

 

統計検定DS基礎の試験では、統計検定3級から2級レベルの問題が出題されます。

 

統計検定3級は高校卒業レベルの数学、統計検定2級では大学教養課程レベルの統計学の理解が求められます。そのため、高校卒業までの数学に抵抗がない場合は、Excelに慣れるための訓練をすれば合格できる可能性が高いので比較的簡単だといえるでしょう。一方、高校レベルの数学からやり直さなければならない人にとっては、やや難しく感じられるかもしれません。

 

(2)DS基礎の合格率

 

DS基礎の合格率は公開されていないため、正確な合格率はわかりません。

ただ、DS基礎の問題は、統計検定3級から2級レベルの問題が出題されます。そのため、統計検定3級と2級の合格率からDS基礎の合格率をある程度予想できます。

 

CBTで実施されていた2021年以前のデータから、統計検定3級の合格率は6〜7割、統計検定2級の合格率は3〜4割であることがわかります。これらの情報を踏まえると、DS基礎の合格率は5割程度ではないかと推測できます。

3.統計検定DS基礎の試験対策におすすめの参考書

統計検定DS基礎の試験対策におすすめの参考書を3冊紹介します。

 

(1)データアナリティクス基礎

 

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出典:https://pub.jmam.co.jp/book/b623517.html

 

最初に紹介するのは、統計検定を開発した日本統計学会がテキストとして公式認定している『データアナリティクス基礎』です。この本を読むことで、DS基礎の出題範囲をすべて網羅的に学習できます。また、章末問題も付いているので、演習対策もできます。

 

(2)Excelで学ぶ ビジネスデータ分析の基礎

 

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出典:https://aoten.jp/store/detail.html?no=a1500i_b171113

 

DS基礎ではExcelの使い方に関する問題が多く出題されます。そのため、Excelの使い方に特化した対策が必要です。

 

Excelの使い方に関する資格に、ビジネス統計スペシャリストがあります。玄場公規・湊宣明・豊田裕貴著『Excelで学ぶ ビジネスデータ分析の基礎』(オデッセイ コミュニケーションズ)は、ビジネス統計スペシャリストの対策本で、Excelを用いたデータ分析方法について詳しく説明されています。

 

この本を読むことで、平均値や中央値、標準偏差などを求める方法や、散布図や回帰分析のグラフ表示の仕方など、Excelを用いたデータ分析方法の基本を学習できます。

 

(3)Excelで学ぶ 実践ビジネスデータ分析

 

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出典:https://aoten.jp/store/detail.html?no=a2000i_b190312

 

DS基礎の出題範囲には、仮説検定も含まれています。そのため、Excelで仮説検定ができるようになることが求められます。

豊田裕貴著『Excelで学ぶ 実践ビジネスデータ分析』は、クロス集計やカイ二乗検定、t検定などの仮説検定をExcelで行う方法について学習できるので、おすすめです。『Excelで学ぶ ビジネスデータ分析の基礎』と同様に、ビジネス統計スペシャリストのためのテキストですが、統計検定データサイエンス(DS基礎)の試験対策にも活用できます。

4.統計検定DS基礎に関するよくある質問と回答

統計検定DS基礎について寄せられることが多い質問に回答します。

 

(1)試験日と結果発表の日程は?

 

統計検定DS基礎は、年ごとの実施回数が決められている試験ではありません。コンピュータ上で実施するCBT(Computer Based Testing)方式なので、希望の試験会場に空きがあれば、いつでも試験を受けられます。試験の結果は試験後すぐに提示されるので、得点から試験に合格したか否かがわかります。

合格した場合、試験から4〜6週間後に合格証が送られます。

 

(2)過去問は公開されている?

 

2323年11月現在、DS基礎の過去問は公開されていません。

しかし、公式サイトにサンプル問題が掲載されているので、どのような問題が出題されるかを確認できます。

 

参考URL:統計検定 データサイエンス基礎(DS基礎)公式サイト

 

(3)合格するために必要な学習時間の目安は?

 

統計検定DS基礎の合格に必要な学習時間は、どの程度Excelに慣れているか、また、統計学をどの程度理解しているかによって大きく変わります。

 

統計学を統計検定2級レベルまで理解している場合、Excelに慣れる訓練をするだけで合格できる可能性が高いため、20〜30時間程度の学習時間で済むでしょう。一方、統計学もExcelも一から勉強する場合、50〜100時間程度の学習時間が必要となるでしょう。

 

(4)どのような人が受験するべき?

 

統計検定DS基礎は、データサイエンスや統計学の基礎的な知識とスキルを身につけたいと考えている方、特にデータ分析や統計的手法を用いた業務に従事する可能性がある方におすすめです。また、自身のスキルを証明したいと考えている初心者や学生にも適しているといえます。

 

(5)就職や転職に役立つ?

 

統計検定DS基礎は、データサイエンスや統計学の最低限の知識を有していることを証明する資格なので、就職や転職の際に評価される可能性はあります。

 

ただし、データサイエンス関連の統計検定の中で最も簡単なものなので、実務レベルのスキルを求められる場合は、あまり評価されない可能性があります。就職や転職に役立つ資格を取得したい場合は、より実践的なスキルを証明できる資格を取得した方がよいでしょう。

5.より実践的なスキルを証明できるCBASとは

貴重な時間を割いて資格取得の勉強に取り組むなら、就職や転職の際に評価される実践的なスキルを身につけたいという方もいらっしゃるでしょう。そのような方におすすめなのが、今多くの企業から注目されているデータ分析実務スキル検定(CBAS)です。

CBASと他の資格との違いは、他の資格が専門知識やテクニカルなスキルを重点的に評価するのに対し、CBASは、「実務に直結した能力を測る」ことを重視している点です。CBASは、ビジネスの現場で本当に役立つ実務能力を持つ人材を求めている企業から高い評価を受けていて、多くの企業が人材育成のツールとして取り入れています。

 

CBASには、以下の2つの種類があります。

・CBAS プロジェクトマネージャー級(PM級):組織横断的にデータ活用の推進をリードし、データ分析の専門家と経営陣の橋渡し役として機能するスキルを評価する試験

・CBAS シチズン・データサイエンティスト級(Citizen級):ビジネスの現場に存在するデータを的確に活用し、分析するスキルを評価する試験

 

CBASについて詳しく知りたい方は公式サイトをご確認ください。

参考サイト:データ分析実務スキル検定(CBAS)公式サイト

まとめ

この記事では、統計検定DS基礎の受験を検討している方に向けて、試験の概要や出題範囲や難易度、おすすめの勉強方法などを解説しました。

 

統計検定DS基礎は、データサイエンスと統計学の基礎的な知識と技能を測定する資格で、Excelを用いたデータ分析の問題が出題されます。DS基礎の出題範囲は、統計検定3級〜2級レベルでやや大学の範囲まで含まれますが、高校までの数学を理解できていれば、十分合格できるでしょう。

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