G検定とE資格の違いとは?難易度・両方取得する必要性も解説

キャリアアップ

2023.10.27

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近年、さまざまな業種においてAIの活用が進んでいます。それに伴い、AI人材の需要も増加する傾向にあります。AIに関する知識やスキルを身につけるための手段のとして、資格取得が挙げられます。AIに関する資格は数多く存在していますが、その中でも「G検定」と「E資格」という資格が注目を浴びています。どちらもAIに関する知識を問う資格ですが、どちらを受験すべきか分からないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そのような方に向けてG検定とE資格の違いや共通点などについて解説します。

1.G検定とは

G検定とは一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)主催の資格試験です。AIをビジネス活用する際に必要な基礎知識があるかを問う試験となっています。具体的には、AIの定義や具体的なディープラーニングの手法といった技術的な内容、AIを事業活用する際に知っておかなくてはならない倫理や法律に関する知識が問われます。AIをビジネスに活用しようとしている方に向けた試験といえるでしょう。

参考記事:G検定とは?難易度、勉強方法、勉強時間について解説

2.E資格とは

G検定と同じく、JDLA により開催されている資格試験です。ディープラーニングの理論を理解した上で適切な手法を選択し、実装する能力があるかが試されます。各手法のアルゴリズムに関する深い理解がなければ合格できません。AIを実装するエンジニアとしての知識やスキルが問われます。

参考記事:E資格とは?難易度、勉強方法、勉強時間について解説

3.G検定とE資格の違い

G検定とE検定の違いを実際の試験で問われる内容をもとに見ていきましょう。

 

(1)試験内容

 

G検定は、AI活用の際に要求されるリテラシーを問う試験です。具体的には、AIの定義や研究開発動向、具体的な手法に関する知識が問われます。また、AIプロジェクトの進め方やマネジメント、倫理的な問題に関する知識など、実際のビジネス活用を想定した問題も出題されます。手法のアルゴリズムなど、深い知識を問われることはありませんが、幅広い分野に関する基礎的な知識が要求される試験です。

 

一方で、E資格はディープラーニングの理論を問う問題がメインとなっています。数学や情報理論に関する問題から始まり、ディープラーニングのアルゴリズムや最適化手法、評価指標などといった専門的な問題が数多く出題されます。また、画像認識や自然言語処理、深層強化学習に関する新技術など、最先端の技術に関する問題が出題されるのもE資格の特徴です。データサイエンティストやAIエンジニアは常に新しい技術を吸収することが求められているため、最先端の技術にキャリアアップするための素養も試されているといえます。

 

(2)難易度

 

G検定は、極端に難易度の高い試験ではありませんが、しっかり勉強しなければ合格できない程度の難易度です。合格率は60~70%の範囲で推移しています。

合格率だけを見るとそこまで難易度の高い試験という印象を受けませんが、実際のところ決して難易度の低い試験ではありません。その理由は、G検定は非常に出題範囲が広いからです。AIの定義からAIに関する諸問題、ディープラーニングの具体的な手法など、幅広い範囲に関する知識を身につけなければなりません。問題数も非常に多いことから、しっかりと内容を理解していなければ合格は難しいでしょう。特に、AIに関する知識のない方がゼロから勉強して合格レベルに達するには相応の努力を要するでしょう。合格のために必要な勉強時間は30~40時間程度といわれています。

 

一方、E資格は難易度の高い試験です。合格率は60~70%程度で、数字だけ見るとそこまで難易度の高い試験には見えません。しかし、合格率が高いのは決して試験の難易度が低いからではありません。

E資格を受験するには、JDLA認定プログラムを修了している必要があります。そのため、必然的に受験者は全員最低限の知識を身につけた状態で試験に挑むことになります。また、2023年第1回の試験では、合格者の6割以上が研究開発や情報システム・システム企画といった専門性の高い職種であるというデータがあります。以上のことから、E資格の合格率が高いのは、受験者のレベルが高いからだと推測できます。試験自体は、ディープラーニングの理論について、最先端の内容も含めた深い部分まで問われる難易度の高い試験です。前提知識の有無にもよりますが、合格には300~400時間程度の勉強時間が必要になるでしょう。

 

(3)受験資格

 

G検定には受験資格が設けられていないため、誰でも受験できます

一方、E資格の受験資格を得るには、JDLA認定の教育プログラムを試験日の過去2年以内に修了している必要があります。これは、合格者が実際にAIを実装する能力を保持していることを担保するための措置です。E資格では、多肢選択式の知識問題が出題されます。Pythonのコード穴埋め問題も出題されますが、一からコードを書いて実装する能力を測定するような問題はありません。試験だけでは実装力を測れないので、教育プログラムの受講を必須としているというわけです。教育プログラムには、修了試験として機械学習のアルゴリズムを実装する実技試験が含まれています。このため、教育プログラムを修了しているということは、最低限の実装能力を備えているという証明になるのです。知識と実装力の両方を兼ね備えた人材を認定するために、E資格は認定プログラムの修了を受験資格としています。

 

(4)出題形式

 

いずれも多肢選択式の知識問題となっています。ただし、問題数や試験時間、出題内容に差があります。

 

G検定の試験時間は120分で、問題数はおよそ200問です。1分につき1~2問というハイペースで問題を解かなければなりません。知識をしっかりと定着させていなければ制限時間内に問題を解き切ることは難しいでしょう。

 

一方、E資格の試験時間は120分、問題数は100問程度となっています。G検定と比較すると問題数は少ないのですが、難易度が高く、理論を深く理解していなければ回答に迷う問題が多く出題されます。また、長い文章を読む必要がある問題も散見されます。このため、時間的余裕は少ないと考えられます。

 

(5)受験場所

 

G検定は自宅のパソコンを使用して受験します。試験時間になったら各自で受験サイトにアクセスし、受験するという形式になっています。事前に欠かさず動作確認をしておきましょう。

 

E資格の受験場所は全国各地のテストセンターです。CBT(Computer Based Testing)形式の試験で、データサイエンティスト検定や統計検定(1級以外)と同様の形式となっています。申し込み時に好きな受験場所を選択できますが、アクセスのよい都市部にある会場は早期に埋まってしまう傾向があるので、なるべく早めに予約するようにしましょう。本人確認書類など、必要なものを忘れないようにしましょう。交通機関の遅延なども想定し、時間に余裕を持って会場に向かうようにしてください。

 

(6)過去問公開の有無

 

G検定、E資格いずれも過去問は公開されていません。市販の問題集を使用して勉強することになるでしょう。ただし、G検定の法律・倫理分野に関しては、「ディープラーニングG検定(ジェネラリスト) 法律・倫理テキスト」という本に一部の過去問が収録されています。

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出典:https://gihyo.jp/book/2023/978-4-297-13240-8

4.G検定とE資格の共通点

G検定とE資格との違いを紹介しましたが、2つの試験には共通点もあります。

 

(1)運営元は日本ディープラーニング協会

 

G検定とE資格は、いずれも一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)により運営されている試験です。機械学習やディープラーニングを適切に活用できる人材を増やしたいというビジョンのもとに立ち上げられた資格試験です。実装や開発を担当するエンジニアだけではなく、AIを用いてビジネス上の課題を解決できるジェネラリストを増やしたいという考えのもと、2つの試験が始まりました。

 

(2)名刺やプロフィールにロゴを使用できる

 

G検定やE資格に合格すると、合格した年度が記載されたロゴが合格者に送付されます。ロゴは名刺などに掲載可能です。名刺交換の際に相手にスキルを示すことができるでしょう。また、G検定やE資格を集団受験する企業は近年増えてきているため、資格の話題で盛り上げることもあるかもしれません。

 

(3)転職活動で有利になる

 

G検定やE資格を取得していれば、転職活動で有利になる可能性があります。AIに関する知識やスキルを有していることを客観的に証明できるでしょう。未経験の方でも、学習意欲をアピールする材料になります。AIに関する人材は不足しているので、企業側に市場価値の高い人材だという印象を与えられるでしょう。

5.E資格とG検定はどちらがおすすめ?

G検定とE資格、違いと共通点がわかったけれど、どちらを受験すべきか迷われる方もいらっしゃるかもしれません。そのような方に向けて、両方の特徴を踏まえて、おすすめのタイプについて説明します。

 

(1)G検定がおすすめの人

 

G検定は、今後ビジネスでAIに関わる可能性のあるすべての方におすすめしたい資格です。

具体的には、AIでできること・できないことを知りたい方、AIを活用したプロジェクトを進めたい方、社内でDX推進を担当することになった方などが挙げられます。合格のための学習を通じ、AIに関する基礎知識を幅広く習得できます。AI活用推進やエンジニアとの連携強化にも役立つでしょう。

 

(2)E資格がおすすめの人

 

E資格は、実際にディープラーニングの開発や実装に携わりたいと考えている方におすすめに資格です。勉強を通して、ディープラーニングの理論を体系的に習得できます。アルゴリズムの構築や実装、新技術の開発に役立てられるでしょう。知識を体系的に整理したい、より多くの技術を習得したいと考えている現役のAIエンジニアやデータサイエンティストの方におすすめの資格です。未経験からAI系のエンジニアを目指している方にとってはややハードルが高いですが、努力して取得する価値のある資格といえます。

6.G検定とE資格の両方を取得するべき?

それではG検定とE資格は両方を取得すべきなのでしょうか。

 

(1)必ずしも両方取得する必要はない

 

G検定とE資格は対象としている層が異なるため、必ずしも両方取得する必要はありません。G検定はAIをビジネス活用する方に向けた資格試験です。それに対し、E資格はエンジニア向けの試験です。AIを実装するエンジニアではなく、ユーザーとして利用するような立場の方であればE資格まで取得する必要はないでしょう。ご自身の現在の立場や将来のキャリアパスに応じた資格を取得しましょう。

 

(2)両方を取得するメリット

 

G検定とE資格を両方取得すれば、AIのビジネス活用方法と理論の両方を理解した人材になれます。AIを活用方法だけ知っていても、開発・実装の方法がわからなければプロジェクトを進められません。一方、開発・実装ができてもビジネスに活用できなければ、ビジネス上の課題を解決することはできません。

両方の資格を取得することにより、AIプロジェクト全般に関する知見を有する希少価値の高い人材として評価される可能性があるでしょう。

7.より実践的なスキルを証明できるCBASとは

貴重な時間を割いて資格取得の勉強に取り組むなら、ビジネスの現場で役立つ実践的なスキルを身につけたいという方もいらっしゃるでしょう。

そのような方におすすめなのが、今多くの企業から注目されているデータ分析実務スキル検定(CBAS)です。

CBASと他の資格との違いは、他の資格が専門知識やテクニカルなスキルを重点的に評価するのに対し、CBASは、「実務に直結した能力を測る」ことを重視している点です。CBASは、ビジネスの現場で本当に役立つ実務能力を持つ人材を求めている企業から高い評価を受けていて、多くの企業が人材育成のツールとして取り入れています。

 

CBASには、以下の2つの種類があります。

・CBAS プロジェクトマネージャー級(PM級):組織横断的にデータ活用の推進をリードし、データ分析の専門家と経営陣の橋渡し役として機能するスキルを評価する試験

・CBAS シチズン・データサイエンティスト級(Citizen級):ビジネスの現場に存在するデータを的確に活用し、分析するスキルを評価する試験

 

CBASについて詳しく知りたい方は公式サイトをご確認ください。

参考サイト:データ分析実務スキル検定(CBAS)公式サイト

まとめ

この記事では、G検定とE資格の違いや共通点などについて解説しました。

 

いずれもJDLAが主催している試験であり、AIの知識を問うという点では共通していますが、対象とする受験者層や試験内容が大きく異なります。

 

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