データサイエンティストになるためには? 必要なスキルや学習方法を解説
データサイエンティストとは、データを分析してビジネスに役…
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データサイエンティスト
2023.09.04
はじめに、データサイエンティストのキャリアパスを考えるための基礎知識として以下の内容について説明します。
・データサイエンティストの主な業務
・データサイエンティストに必要なスキル
・データサイエンティストの求人市場の現状
データサイエンティストは、データ活用の領域において幅広い業務を担当します。具体的には以下のような業務です。
・ビジネス戦略の策定:データを活用したビジネス戦略を検討・策定
・データ収集:データ収集方法や仕組みの検討・実施
・データ分析環境の管理:データ分析環境の設計・構築・運用
・現場への導入:データ活用の仕組みを現場の業務に導入し、関係者への教育
参考URL:「デジタルスキル標準」第3部 DX推進スキル標準(情報処理推進機構)
データサイエンティストには、データサイエンティスト協会が定義する以下の3つのスキルセットが必要とされます。
“・ビジネス力:課題背景を理解した上で、ビジネス課題を整理し、解決する力 ・データサイエンス力:情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系の知恵を理解し使う力 ・データエンジニアリング力:データサイエンスを意味のある形に使えるようにし実装・運用できるようにする力 |
データサイエンティストを含むIT人材は、「量」だけでなく「質」においても不足しているのが現状です。情報処理推進機構が発表した「DX白書2023」では、IT人材について以下のように多くの企業が「不足している」と回答していました。
・企業全体の83.5%が、IT人材の数(「量」)が不足していると回答
・企業全体の86.1%は、IT人材のスキルレベル(「質」)が不足していると回答
データサイエンティストの需要が高まっている一方で、その供給が追いついていない現状が示されています。
参考URL:DX白書2023(情報処理推進機構公式サイト)
未経験からデータサイエンティストを目指す方法を紹介します。
データサイエンティストになる方法として、理数系の大学を卒業して新卒で採用されることは有効な手段の一つです。
理数系の大学では、数学や統計学、プログラミングなど、データサイエンティストに必要な基礎知識を学べます。これらの知識は、データ分析のスキルを習得するための基盤となります。
また、新卒者には企業から高い需要があります。情報処理推進機構が発表した「デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2022年度)企業調査報告書」では、企業全体の45.1%が「新卒・中途採用者を無期雇用し、社内で育成していく」と回答していました。
参考URL:デジタル時代のスキル変革等に関する調査(2022年度)(情報処理推進機構公式サイト)
データサイエンティストになるには、データアナリストの実務経験を経てキャリアチェンジするという方法もあります。
データサイエンティストとデータアナリストの役割には、データの収集、分析、解釈という共通点があります。
データサイエンティストはデータ分析結果からビジネス上の課題解決を行いますが、データアナリストは分析結果の解釈までとなります。具体的な役割とスキルは企業や業界によって異なり、データアナリストは統計学や機械学習などの専門知識を持たない場合もあります。
一般的なデータサイエンティストとデータアナリストの役割の違いを以下の表にまとめました。
役割 |
データサイエンティスト |
データアナリスト |
データの収集、分析、解釈 |
○ |
○ |
ビジネス上の課題の解決 |
○ |
× |
統計学、機械学習、AIなどの専門知識 |
○ |
△ |
データアナリストとしての経験は、データサイエンティストへのキャリアパスを進めるうえで役立つと考えられます。
データサイエンティストを目指す上で、関連資格の取得は有益といえます。資格を持っていることは、知識やスキルを客観的に証明する手段になるからです。
データサイエンティスト関連資格を取得していると、知識やスキルを証明できるため、取得していない人よりも、採用される可能性が高くなります。
具体的な資格の例について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
参考記事:プログラミング未経験でもデータサイエンティストになる方法を解説
データサイエンティスト育成講座を受講することも、データサイエンティストを目指すために有効な手段の一つです。
データサイエンティスト育成講座では、短期間でデータサイエンティストに必要な知識やスキルを学べます。育成講座を選択する場合、ビジネスの現場で活用できる力が身につくかどうかが重要なポイントです。
第四次産業革命スキル習得講座認定制度(Reスキル講座)の認定講座を受講することをおすすめします。
Reスキル講座は、将来需要が見込まれる分野で社会人が高度な専門性を身につけてキャリアアップを図る経済産業大臣認定の講座です。
情報処理推進機構の「デジタルスキル水準」に基づいた、データサイエンティストのキャリアの方向性を紹介します。
参考URL:デジタルスキル水準 (情報処理推進機構(IPA)公式サイト)
データビジネスストラテジストは、事業戦略に基づくデータ戦略の立案やデータ活用領域プロジェクトのマネジメントを担当します。
他のロール(データサイエンスプロフェッショナルやデータエンジニア)と比べて、「ビジネス力」を強く求められます。
以下は、データビジネスストラテジストの主な業務です。
・データ戦略の立案:事業戦略におけるデータの活用を判断し、事業戦略を実現するためのデータ活用戦略を策定する
・データ活用領域のプロジェクトのマネジメント:データ活用戦略を実現するまでのプロセスを企画・主導し、他の人材やロールとの連携の調整する
・新規事業の創出や現場業務の変革・改善:現場部門と一体となって、データを活用する業務の設計や見直しを行い、新しい事業の創出や現場業務の変革を行う
・成果の把握・連携:取組みの成果や課題を把握し、次の取組みへ連携する
データビジネスストラテジストは、ビジネス戦略とデータ分析のスキルを組み合わせて、企業の意思決定を支援したいと考える人におすすめです。
データサイエンスプロフェッショナルは、データ分析の結果をもとに新規事業の創出や業務改善の提案までを担当します。
他のロール(データビジネスストラテジストやデータエンジニア)と比べて、「データサイエンス力」を強く求められます。
以下は、データサイエンスプロフェッショナルの主な業務です。
・データの評価・分析:AI・データサイエンス領域の専門知識に基づくデータの処理・解析し、解析結果を適切に評価・分析
・知見の創出・可視化:新規事業の創出や現場業務の変革・改善につながる知見の創出・可視化
・データ活用の仕組みづくり・教育:現場部門でのデータ活用の仕組みづくりやエンドユーザーに対する教育とサポート
・分析モデルの改善:データ活用の仕組みの運用状況や新たなビジネス要求を踏まえて、分析モデルの改善
・新技術の把握・活用:AI・データサイエンス領域の新技術を把握し、その可能性を検証
データサイエンスプロフェッショナルは、新技術の動向を把握・活用し、データ分析とビジネスを結びつけ、新たな知見を導出したいと考える人におすすめです。
データエンジニアは、ビジネスの変革や新たなビジネスの創出を実現するため、データ分析環境の設計、実装、運用を担当します。
他のロール(データビジネスストラテジストやデータサイエンスプロフェッショナル)と比べて、「エンジニアリング力」を強く求められます。
以下は、データエンジニアの主な業務です。
・新たなデータ分析環境の実現:目的に応じたデータ(業務データやログデータ等)の収集・処理・解析等を効果的に行うためのシステム環境を設計し、最適な稼働環境を実装
・変化に応じたデータ分析環境の実現:状況の変化に応じてリアルタイム、動的、自動に最適なデータ分析環境を調整・実現
・データの加工・データマートの作成:データの処理・解析に必要なデータの加工やデータマートの作成
・モニタリング環境の整備:他のロールが適切にモニタリングを行うための環境を整備
データエンジニアは、データ活用基盤の設計・実装・運用のスキルを持ち、ビジネスの変革や創出を実現したいと考える人におすすめです。
データサイエンティストのキャリアプランの例を紹介します。
データサイエンティスト協会の「スキルレベル表」では、データサイエンティストのスキルレベルが以下の4つに分けられます。
アシスタントデータサイエンティスト |
見習いレベル(プロジェクトの担当テーマを対応できるレベル) |
アソシエートデータサイエンティスト |
独り立ちレベル(担当プロジェクト全体や担当サービス全体を対応できるレベル) |
フルデータサイエンティスト |
棟梁レベル(対象組織全体を対応できるレベル) |
シニアデータサイエンティスト |
業界を代表するレベル(産業領域全体や複合的な事業全体を対応できるレベル) |
アシスタントからスキルを磨き、業界を代表するシニアデータサイエンティストになるキャリアプランとして参考にしてもよいでしょう。
参考URL:スキルレベル表(データサイエンティスト協会)
ご自身のスキルレベルを確認したい場合は、データサイエンティスト協会が公開している「スキルチェックリスト」がおすすめです。
スキルチェックリストを活用することで、現状のスキルレベルやキャリアアップに必要なスキルを確認できます。
参考URL:スキルチェックリスト ver.4(データサイエンティスト協会)
データサイエンティストで実務経験を積んだ後、プロジェクトマネージャーになることも可能です。
プロジェクトマネージャーは、データサイエンティストやエンジニアなどのチームをまとめ、スケジュール調整やリソース管理、チームメンバーとの協力関係を築きながら、プロジェクト全体の管理を行います。
プロジェクトマネージャーになるには、データサイエンティストとしての経験に加えて、プロジェクト全体の管理や交渉能力などのスキルが必要です。
データサイエンティストとしての実務経験を積んだ後、独立してフリーランスとして活躍することもできます。
フリーランスとして独立すれば、自由度が高まり、フルリモートで働く、時間を拘束されずに好きな時間に働くなど、自由な働き方を選択できます。ただし、フリーランスとして働く場合は、クライアントとの関係構築に積極的に取り組むことが求められます。
この記事では、未経験者がデータサイエンティストを目指す方法や、現役のデータサイエンティストに向けた具体的なキャリアプランなどを紹介しました。
ここで紹介した内容は一般的なキャリアパスであり、全ての方に当てはまるわけではありません。ご自身のスキルレベルを把握した上で、ご自身に合うキャリアプランを立てることが大切です。
未経験からデータサイエンティストを目指す場合は、データサイエンティスト育成講座の受講を検討してもよいでしょう。
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