プログラミング未経験でもデータサイエンティストになる方法を解説

データサイエンティスト

2023.08.24

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昨今、データサイエンティストという職業が注目を集めています。幅広い業界でビッグデータの活用に取り組む企業が急増し、データサイエンティストの活躍の場は広がっています。このような状況の中、データサイエンティストを目指したいと思われている方も多いのでないでしょうか。一方で、データサイエンティストにキャリアチェンジすることを検討したものの、未経験でもデータサイエンティストになれるのか疑問に思われている方もいらっしゃるかと思います。
この記事では、そのような疑問をお持ちの方に向けて、プログラミング未経験からデータサイエンティストになるための道筋について解説します。

1.データサイエンティストとは

まずは、データサイエンティストの役割や、データサイエンティストに必要なスキルについて説明します。

 

(1)データサイエンティストの役割

 

データサイエンティストの役割は、データからビジネス上の課題に有益な知見を引き出すことです。

現代では多くの場面でビッグデータと呼ばれる膨大なデータが蓄積されています。データサイエンティストの役割は、さまざまな手法を駆使してビッグデータから知見を引き出し、ビジネスの課題解決に貢献することです。ただ単にデータを分析することだけがデータサイエンティストの役割ではありません。

 

(2)データサイエンティストに必要なスキル

 

一般社団法人データサイエンティスト協会は、データサイエンティストに必要なスキルを、データサイエンス力、データエンジニアリング力、ビジネス力という3種類に分類しました。

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出典:https://www.datascientist.or.jp/dscertification/what/

 

各スキルの内容は以下のとおりです。

・データサイエンス力:統計学・数学・機械学習に関する知識、スキル

・データエンジニアリング力:Python等のプログラミング言語を用いて機械学習のアルゴリズムを開発・実装するスキル

・ビジネス力:ビジネス上の課題を定義する力、ビジネス分野固有の知識

 

2.プログラミング未経験でもデータサイエンティストを目指せるか

プログラミング未経験の方でもデータサイエンティストを目指すことはできるのでしょうか。

 

(1)プログラミング未経験の方にはハードルが高い

 

プログラミング未経験の方がデータサイエンティストになるハードルは高いです。

データサイエンティストには、プログラミングによりデータを抽出・可視化したり、分析アルゴリズムを実装したりすることが求められます。これは「データエンジニアリング力」と呼ばれる高度な専門スキルといえます。

これらのスキルを未経験から実務で通用するレベルに引き上げるのは相当な努力を要します。そのため、プログラミングをしたことがない方がデータサイエンティストを目指すのは簡単なことではありません。

 

(2)統計学や数学の基礎知識も必要

 

データサイエンティストには、統計学や数学の素養も求められます。

世の中にはさまざまなデータ分析手法があり、データサイエンティストは課題解決のために適切な手法を選択することが求められます。そのためには、各手法のできること・適用範囲を理解している必要がありますが、ここで統計学・数学の知識が要求されます。AIや機械学習も含め、よく使われているデータ分析手法はすべて統計学や数学に基づいているからです。このようなスキルは「データサイエンス力」にあたります。業務の中で「データサイエンス力」を高めていくことも可能ですが、ある程度の基礎知識がないと難しいでしょう。

3.データサイエンティスト未経験で採用される可能性は?

プログラミングの経験があり、データサイエンティストとして働くための基礎的な知識を持っているけれど、実務経験がないため、データサイエンティストとして雇用してもらえるのか不安だという方もいらっしゃるかと思います。

データサイエンティストは実務未経験でも採用される可能性があるのでしょうか。

 

(1)ポテンシャル採用なら未経験でも採用される可能性あり

 

データサイエンティストしての実務経験がなくても、関連するスキルや経験を持っている方はデータサイエンティストのポテンシャル採用を行っている企業に採用される可能性があります。ポテンシャル採用とは、過去の実務経験などを問わず、個人の潜在的な能力や成長の可能性を重視して選考する採用方法です。

データサイエンティストは比較的新しい職種で、実務経験を持つ人材が少ないため、実務未経験者を対象としたポテンシャル採用を行う企業は増えています。データ分析やプログラミングの経験など、データサイエンティストに関連する知識や経験を持つ方はポテンシャル採用では有利です。データサイエンティストに要求されるスキルを理解し、ご自身の経験や知識をそこに結び付けてアピールできれば採用される可能性があるでしょう。

データサイエンティストのポテンシャル採用について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

参考記事:データサイエンティストのポテンシャル採用が多い理由・未経験者に対する評価基準は?

 

(2)関連資格を取得していると有利

 

関連資格を取得することにより、統計学などの「データサイエンス力」、プログラミングなどの「データエンジニアリング力」を有していることを客観的に証明できます必要なスキルを持っていることを企業にアピールする材料になり、選考の際に有利になる可能性があります。具体的な資格の例は後述します。

 

(3)40代以降は現職でのキャリアアップを目指す

 

40代以降は、実務者としてのデータサイエンティストではなく、マネジメント職としての求人が多くなる傾向があります。そのため、データサイエンティストとして実務経験がないと未経験で採用されるのは難しいかもしれません。

そうした方は、転職ではなく現職での部署異動を希望してみることや、現在の部署での業務の中でデータ分析実務を行い、実務経験を重ねることで次のキャリアに進める可能性が高まります。データサイエンティストの需要は急速に伸びているので、データサイエンティストとして仕事をしたいという強い気持ちをお持ちの方は積極的にチャレンジしてもよいでしょう。

4.プログラミング未経験からデータサイエンティストを目指す方法

プログラミング未経験の方がデータサイエンティストを目指すためには、具体的にどのようなことを学べばよいのでしょうか。

 

(1)データから課題を抽出して解決するための思考力を養う

 

データサイエンティストには、データ分析をするだけではなく分析結果からビジネスの課題を見出して、解決するスキルが求められます。

これまでの仕事の経験を通じて得た業種や業務に関する経験や知識を生かして、さまざまなデータ分析の結果から課題を的確に抽出して、解決策を考える思考力を養うことが大切です。

 

(2)Pythonなどのプログラミング言語を勉強

 

データを分析できる形にして分析アルゴリズムを実装できるようになるためにプログラミング言語を勉強しましょう未経験者であれば、まずPythonを習得するのがおすすめです。基本的な文法から学び、データ分析でよく使うライブラリ(Scikit-learn、Numpy、Matplotlibなど)の使い方も取得しましょう。

Python の機械学習ライブラリとして有名な「Scikit-learn」には、ボストンの住宅価格やアヤメの品種データなど、Pythonの学習に役立つサンプルデータが用意されています。これらのサンプルデータを使いつつ、数理・統計の勉強で学んだ分析アルゴリズムの実装ができるようになるまで練習することをおすすめします。

 

(3)関連資格を取得する

 

関連資格の取得を通して、必要な知識を体系的に身につけることができます。また、スキルを持っていることの証明になるため、採用試験の選考の際に有利になります。以下に資格の例を挙げるので、学習の際の参考にしてください。

 

①データ分析実務スキル検定(CBAS)

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出典:https://cbas-exam.jp/

データ分析実務スキル検定(CBAS)は、ビジネスの現場で求められる実践的なデータ分析スキルを可視化し、評価するための検定試験で、以下の2つの種類があります。

・CBAS プロジェクトマネージャー級(PM級):組織横断的にデータ活用の推進をリードし、データ分析の専門家と経営陣の橋渡し役として機能するスキルを評価する試験

・CBAS シチズン・データサイエンティスト級(Citizen級):ビジネスの現場に存在するデータを的確に活用し、分析するスキルを評価する試験

いずれもビジネスの現場で必要とされる実務的なスキルを評価し、証明するための検定試験です。

 

②統計検定

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出典::https://www.toukei-kentei.jp/

統計検定は、統計に関する知識や実社会への応用力を評価する試験です。さまざまな種別があり、実務で通用するレベルは「2級」といわれています。大学教養課程に相当する内容で、検定や推定、回帰分析、分散分析といった実務でよく使用する手法を理解していることを証明できます。未経験の方はまず3級を取得し、最終的に2級を目指すとよいでしょう。

 

③Pythonエンジニア認定試験(基礎試験/データ分析試験/実践試験)

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出典:https://www.pythonic-exam.com/

Pythonエンジニア認定試験は、Pythonのスキルを評価する試験です。基礎試験・実践試験・データ分析試験という3つの種別があります。基本的な文法が問われる基礎試験から始めて、より実践的な内容が問われる実践試験、データ分析のためのライブラリが使えるかを問われるデータ分析試験に挑戦していくとよいでしょう。

 

(4)データサイエンティスト育成講座を受講する

 

データサイエンティスト育成講座を受講するのも一つの方法です。独学でデータサイエンティストを目指すのはなかなか大変なことです。ご自身で勉強すべき内容を調べなければならない、わからないことがあっても質問できない、モチベーションを保ちづらいなどの問題点もあります。

育成講座を受講すれば、体系的に学習できるカリキュラムが組まれていて、講師に質問できたりコードの添削を受けられたりするので、独学の問題点を解決できる可能性が高いです。

データサイエンティスト育成講座の中には、さまざまな講座がありますので、ご自身のスキルや目的に合わせて選びましょう。

データサイエンティスト育成講座の選び方について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

参考記事:データサイエンティスト育成講座の選び方・講座選びで失敗しないための注意点は?

5.未経験からデータサイエンティストを目指す際の注意点

未経験からデータサイエンティストを目指す際、注意すべき点について説明します。

 

(1)安易にキャリアチェンジすると苦労することも

 

華やかなイメージや、高い給料に惹かれて、安易にキャリアチェンジをしようとすると、苦労する可能性があるため注意が必要です。

データサイエンティストは華やかな職業というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、実際は地道な仕事が多いです。例えば、データの成形や加工、検証の繰り返しなどです。

また、データサイエンスやAI分野は日進月歩で進化しているため、常に最新の知識や技術にキャッチアップする必要がありますこのことから、地道な作業が苦にならない、常に新たな技術を学ぶのが好きというという方はデータサイエンティストに向いているといえます。向き不向きが比較的はっきりしている職業なので、向いていない人は苦労するでしょう。ご自身がデータサイエンティストに向いているかを確認したうえで、キャリアチェンジを検討しましょう。

 

(2)データサイエンティストになりたい理由を明確に

 

データサイエンティストには求められる知識やスキルが多く、習得するまでに時間がかかります。しかし、それでもデータサイエンティストを目指したいのには何か理由があるはずなので、自分の目標をしっかり確認しましょうそうすることでモチベーションを維持しやすくなり、データサイエンティストの仕事に達成感を感じられるようになるでしょう。

まとめ

この記事では、データサイエンティストの役割や必要なスキルを説明し、未経験からデータサイエンティストを目指すための道筋を示しました。

データサイエンティストは様々なスキルが求められる職業なので、未経験からキャリアチェンジを狙うのはハードルが高いかもしれません。しかし、その分ビジネスに与える影響が大きく、やりがいも大きいです。未経験からデータサイエンティストを効率良く目指すためには、データサイエンティスト育成講座の受講を検討してもよいでしょう。

 

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