データ分析実務スキル検定(CBAS)とは?難易度や勉強方法を解説

データサイエンティスト

2023.12.04

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データ分析やデータサイエンスに関する資格を調べる中で、データ分析実務スキル検定(CBAS)のことを知り、興味を持って調べている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
CBASは、実務で活用できるデータ分析スキルを測るための試験で、多くの企業から人材育成のツールとして採用されています。
この記事では、データ分析実務スキル検定(CBAS)の試験の概要、難易度、勉強方法などについて解説します。

1.データ分析実務スキル検定(CBAS)の概要

まずは、データ分析実務スキル検定(CBAS)とは、どのような知識・能力が問われる試験なのか、どのような分野が出題されるのかなど、基本的な内容を紹介します。

 

(1)データ分析実務スキル検定(CBAS)とは

 

データ分析実務スキル検定(CBAS)は、ビジネスの現場で求められる実践的なデータ分析スキルを評価するための検定試験です。データミックスにおいても2020年から実施しています。

CBASでは、データ分析に関する専門知識や手法を理解しているだけでなく、実務に応用できるかという点に重点が置かれています。そのため、CBASの問題は実際のデータ分析プロジェクトに沿って出題されます。

 

(2)データ分析実務スキル検定(CBAS)が誕生した背景

 

これまでは、データ分析の専門的なスキルは、データサイエンティストなどの一部の専門家だけが身につけておけばよいものと一般的に考えられてきました。しかし、現代では、技術の進化に伴い、データの利活用が進み、企業が競争力を維持するためにはデータ分析をビジネスに活用することが不可欠になりつつあります。そのためには、すべてのビジネスパーソンが、データを理解し、分析し、活用する能力を持つことが求められます。

このような時代のニーズを受け、ビジネスの現場で役立つ実践的なスキルを評価するために、CBASが誕生しました。

 

(3)CBASの検定種別

 

CBASは以下の2つの検定種別に分かれています。

 

・プロジェクトマネージャー級(PM級):一般のビジネスパーソンである経営陣とデータサイエンティストやデータアナリストなどの専門家をつなぐ役割を果たすために必要なスキルを評価

・シチズン・データサイエンティスト級(Citizen級):一般のビジネスパーソンが身につけておくべきExcelのデータ分析スキルを評価

 

PM級の受験勉強を通じて、データ活用やDX推進のプロジェクトをリードするプロジェクトマネージャーに必要なスキルを習得できます。また、Citizen級の受験勉強では、ビジネスの現場でデータ分析を実施するスキルが身につきます。

このように、CBASの受験を通して企業により高い価値を提供できるようになるため、CBASは現在、多くの企業が昇進試験や社内教育の一環として取り入れており、企業の人材育成に貢献しています。

2.CBAS プロジェクトマネージャー級(PM級)の難易度と勉強方法

CBAS プロジェクトマネージャー級(PM級)の試験概要、難易度、試験対策におすすめの勉強方法などについて説明します。

 

(1)PM級の試験概要

 

CBASのプロジェクトマネージャー級(PM級)は、ビジネストランスレーターとしてDXの推進をリードする能力を評価するための試験です。ビジネストランスレーターとは、データサイエンティストなどの専門家とビジネス職である経営陣との橋渡しを担う役割のことを指します。

 

PM級の試験の詳細は以下のとおりです。

問題数

60問(多肢選択式)

試験方法

コンピューター上で実施するCBT等のオンライン形式

試験時間

90分

合格ライン

97点満点で64点以上

 

PM級の試験では、ビジネス側の知識とデータ分析の知識の両方が問われます。

 

ビジネス側の知識として、業務目的に応じて適切なKPIツリーを作成できるか、データの取扱いに関する利用規約、法令やガイドラインを理解しているかが問われます。また、データ分析結果をビジネスに応用する力も問われます。

 

データ分析の分野では、データの収集、前処理、可視化スキルなどに関する問題が出題されます。さらに、収集したデータをもとに施策を提案し、その提案をもとにモデリングや分析結果の評価などを行います。モデリングには、機械学習など高度なデータ分析の理解も欠かせません。

これらの業務を実際に、RやPythonなどのプログラミング言語やデータベース言語であるSQLを用いて実際に分析できるかを問う問題も出題されます。

 

(2)PM級の難易度

 

PM級に合格するには、高度なプログラミング技術が必要というわけではありません。ただし、専門家と経営陣との橋渡しという役割を果たすため、最低限の専門用語の理解などが求められます。そのため、一般のビジネスパーソンにとってはやや難易度が高い試験だといえるでしょう。

 

(3)PM級の試験対策におすすめの勉強方法

 

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出典:https://book.impress.co.jp/books/1120101020

 

『データ分析実務スキル検定 公式テキスト』は、PM級試験対策の唯一の公式テキストです。このテキストで、統計や機械学習の考え方、ExcelやSQL、Python、Rの具体的な利用法など、試験範囲をすべて網羅できます。テキストに沿って学習を進めて、分からなかった部分を適宜補う形で理解を深めるとよいでしょう。

なお、試験に出てくるPythonやR、SQLを実際に触りながら学習を進めると、より理解が深まるのでおすすめです。

講義形式で試験対策をしたい場合は、以下のような講座を利用してもよいでしょう。

gaccoセレクト有料講座「データ活用・分析スキル育成プログラム」
Udemy「演習形式で学ぶ – データ分析実務スキル検定CBAS合格への道」

 

3.CBAS シチズン・データサイエンティスト級(Citizen級)の難易度と勉強方法

CBAS シチズン・データサイエンティスト級(Citizen級)の試験概要、難易度、試験対策におすすめの勉強方法などについて説明します。

 

(1)Citizen級の試験概要

CBASのシチズン・データサイエンティスト級(Citizen級)は、一般のビジネスパーソンが身につけておくべきExcelでのデータ分析手法や分析思考を評価する試験です。

試験では、棒グラフや折れ線グラフなど基本的なデータ可視化手法について問われます。また、平均値や最頻値などの集計値の理解も必要です。

 

他にも、Excelでのデータの前処理、抽出、要約、可視化スキルも問われます。また、これらのスキルを通じて、データ分析した後の要因分析や感度分析を行い、最終的に仮説の検証ができるか評価する問題も出題されます。

 

Citizen級の試験の詳細は以下のとおりです。

問題数

20問(多肢選択式)
Excelを操作して解く実技試験

試験方法

コンピューター上で実施するCBT等のオンライン形式

試験時間

80分

合格ライン

100点満点で70点以上

 

(2)Citizen級の難易度

 

Citizen級の試験は、仕事で日常的にExcelを利用してデータ分析を行っている方にとっては、それほど難しい試験ではありません。ただ、80分で20問の出題があるため、Excelの操作に慣れていないと時間内に完了することが難しいでしょう。

 

(3)Citizen級の試験対策におすすめの勉強方法

 

Citizen級に合格するためには、まずはExcelのデータ分析に必要な基本的な操作を理解する必要があります。Excelのデータ分析の方法は、本やWebサイト、YouTubeなどさまざまな媒体で説明されています。公式サイトに公開されているCitizen級のシラバスを参考にして、現在の自分に足りない知識やスキルを補うために、これらの媒体を有効活用して勉強を進めるとよいでしょう。

参考URL:CBAS シチズン・データサイエンティスト級(Citizen級)公式サイト

 

4.CBASのPM級とCitizen級のどちらがおすすめ?

CBASには、PM級とCitizen級の2つの検定種別があるため、どちらを受験するか迷われる方もいらっしゃるかもしれません。それぞれの資格がおすすめの人について紹介します。

 

(1)PM級がおすすめな人

 

PM級は、データ活用やDX推進プロジェクトをリードするために必要な広範囲にわたるデータサイエンスの知識を評価する試験なので、以下のような人におすすめです。

 

・データ活用やDX推進プロジェクトなどのプロジェクトリーダーとして活躍したい人

・管理職を務めていて、部署内でデータ活用やDX推進を進める予定がある人

・IT系のプロジェクトリーダーやコンサルタントの経験があり、データサイエンスの知識を習得してキャリアアップを図りたい人

 

(2)Citizen級がおすすめな人

 

Citizen級は、業務に必要なデータ分析やデータの可視化を行うスキルを評価する試験なので、以下のような人におすすめです。

 

・Excelを用いたデータ分析のスキルアップを図りたい人

・担当している業務で、データ分析を活用できるようになりたい人

・実践的なデータ分析スキルを身に付けて、キャリアアップを図りたい人

5.データ分析実務スキル検定(CBAS)に関するよくある質問と回答

CBASについて寄せられることが多い質問に回答します。

 

(1)データ分析実務スキル検定(CBAS)は就職や転職に役立つ?

 

CBASはビジネスの現場で役立つ実践的なスキルを評価する試験なので、就職や転職を考えている人にとっては、非常に役立つ資格だといえます。現在、幅広い業種で多くの企業が、データ活用やDX推進に取り組んでいるため、データサイエンスに関する実践的なスキルを持つ人は、即戦力になり得る人材として多くの企業から求められるでしょう。

実務経験がない場合でも、CBASを取得していることで実務レベルのスキルを保有していることを証明できます。現在、国内の人材市場では、データサイエンスに関する専門知識やスキルを持つ人材が不足しているため、未経験者を対象としたポテンシャル採用も活発に行われています。CBASを取得していれば、ポテンシャル採用で採用される可能性も高くなるでしょう。

参考記事:データサイエンティストのポテンシャル採用が多い理由・未経験者に対する評価基準は?

 

(2)過去問は公開されている?

 

現在、CBASの過去問は公開されていませんが、以下のフォームから、サンプル問題を入手することが可能です。

CBAS PM級 シラバス・サンプル問題申込みフォーム

CBAS Citizen級 シラバス・サンプル問題お申込みフォーム

 

(3)試験日と結果発表の日程は?

 

CBASは、年ごとの実施回数が決められている検定試験ではありません。コンピューター上で実施するCBT(Computer Based Testing)方式なので、希望の試験会場に空きがあれば、いつでも試験を受けることが可能です。

また、試験終了後すぐに結果が発表されるので、合格した場合は、試験終了直後からCBASの資格を保有していることを証明できます。

まとめ

この記事では、データ分析実務スキル検定(CBAS)の試験の概要、難易度、勉強方法などについて解説しました。

 

CBASは、ビジネスの現場で役立つスキルを評価するための検定試験なので、実務に役立つスキルを身につけたい人や、これからの時代に求められるスキルを習得してキャリアアップを図りたい人にもおすすめです。

 

「貴重な時間を使って勉強するなら、就職・転職の際に高く評価される実践的なスキルを確実に習得したい」という方は、実務に役立つスキルを効率的に習得できる講座の受講を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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