Reスキル講座とは?給付金の条件・講座一覧を紹介

キャリアアップ

2023.11.24

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急速なAIの進化や時代の変化に対応するためにリスキリングに取り組む人が増える中、Reスキル講座のことを知って、興味を持たれた方も多いのではないでしょうか。
Reスキル講座は、経済産業大臣が認定する教育訓練講座で、ITやデータ関連の分野の高度な専門知識やスキルの習得を目的としています。リスキリングのための学習に取り組みたいと考えている社会人が対象となっているため、働きながら受講できるようにオンライン講座を取り入れるなどの工夫がされています。
この記事では、Reスキル講座の概要、対象となる分野、給付金の取得条件、申請方法などについて解説します。将来のキャリアを見据えてリスキリングに取り組むことを検討している方はぜひ参考にしてください。

1.第四次産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)とは

まずは、Reスキル講座の概要や対象分野について説明します。

 

(1)第四次産業革命とは

 

第四次産業革命とは、現代のテクノロジーの急速な進化による新たな産業革命のことです。IoT、AI、ブロックチェーンなどのテクノロジーにより、以下のようなことが実現できます。

 

・個々にカスタマイズされたサービスの提供

・既に存在している資源・資産の効率的な活用

・AIやロボットの活用による生産性向上

第四次産業革命は経済、社会、環境に大きな影響を与え、新たなビジネスモデルや職種を生み出す可能性があります。

参考URL:第4次産業革命のインパクト(内閣府公式サイト)

 

(2)第四次産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)認定制度とは

 

第四次産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)認定制度は、以下のように定義されています。

“IT・データを中心とした将来の成長が強く見込まれ、雇用創出に貢献する分野において、社会人が高度な専門性を身に付けてキャリアアップを図る、専門的・実践的な教育訓練講座を経済産業大臣が認定する制度

引用元:第四次産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)認定制度(経済産業省公式サイト)

 

Reスキル講座は、社会人が第四次産業革命による変化に適応し、新たに求められるスキルを習得して個人のキャリアを発展させるための具体的な手段として提供されています。

 

(3)教育訓練給付制度の専門実践教育訓練の一つ

 

Reスキル講座は、厚生労働省の教育訓練給付制度と連携し、専門実践教育訓練の対象講座の一つとして位置づけられています。専門実践教育訓練は、労働者の中長期的キャリア形成をサポートし、厚生労働大臣が指定した講座を受講し、一定の要件を満たす場合は、受講費用の最大70%(年間上限56万円)が助成される制度です。

専門実践教育訓練として指定されたReスキル講座を受講すれば、自己負担費用を抑えて高度なスキルを身に付けることが可能です。

 

(4)Reスキル講座の対象分野

 

Reスキル講座の対象分野は、経済産業省の第四次産業革命スキル習得講座認定制度に基づき、以下のように定められています。

IT分野

・AI、IoT、データサイエンス、クラウド(デザイン思考、アジャイル開発等の新たな開発手法との組み合わせを含む)

・高度なセキュリティやネットワーク

・デジタルトランスフォーメーション推進

IT利活用分野

・自動車モデルベース開発

・自動運転

・生産システムデジタル設計

参考URL:認定対象分野(経済産業省公式サイト)

 

現代のビジネス環境では、これらの先進的な技術を活用することが競争力を維持するための鍵となります。Reスキル講座は、これらの先進的な技術を活用するための高度なスキルを習得できる講座が揃っています。

2.Reスキル講座の特徴

Reスキル講座には、以下のような特徴があります。

 

(1)少ない自己負担で高度なIT系スキルを習得できる

 

前述した通り、Reスキル講座は、厚生労働省の「専門実践教育訓練」の対象とされており、条件を満たせば受講費用の最大70%(年間上限56万円)が支給されます。

 

そのため、少ない自己負担で、ITスキル標準(ITSS)レベル4相当の高度なITスキルを習得する絶好のチャンスだといえます。ITスキル標準(ITSS)レベル4は、以下のいずれかを満たすレベルとされています。

 

・専門スキルを駆使して業務上の課題の発見と解決をリードする

・新規ビジネスやサービス等の創出が可能であるほか、後進育成にも貢献できる

 

このレベルに達することができれば、多くの企業から求められる人材になれるでしょう。

 

(2)キャリアアップの可能性が広がる

 

Reスキル講座は、現代のビジネス環境におけるキャリアの飛躍をサポートします。Reスキル講座は技術トレンドや業界のニーズに合わせて設計されており、受講者は最先端の専門知識やスキルを習得できるからです。

デジタル変革が急速に進行する中、ITやデジタル関連のスキルはますます価値を増しています。特にAI、IoT、データサイエンスなどの分野では、専門的なスキルを持つスペシャリストの需要が高まっています。

 

(3)年収アップにつながる

 

Reスキル講座を受講すると、データサイエンスやAIなど、最先端のIT技術を活用する業務を担当することが可能となり、多くの企業が求める人材となる可能性が高いです。その結果、年収アップが期待できます。

「IT人材白書2020」では、先端IT分野に従事する者(データサイエンスやAIなどの先端技術に関わる人材)の年収は、非従事者の年収に比べて高いことが示されています。具体的には、「600〜700万円未満」の年収帯以降で、先端IT従事者の比率が非従事者よりも高くなっています。

参考URL:IT人材白書2020(独立行政法人情報処理推進機構公式サイト)

3.Reスキル講座の給付金が支給される条件

Reスキル講座の給付金に関する条件を詳しく解説します。

 

(1)給付金の対象者

 

給付金の対象は以下の条件になります。

初回受講

以下のいずれかに該当すること

・雇用保険に2年以上加入している

・離職後1年以内で、2年以上の雇用保険加入実績がある

2回目以降の受講

前回の受講開始日から3年以上雇用保険に加入している

給付金の対象に該当するかわからない場合は、ハローワークで確認することができます。

参考URL:全国ハローワークの所在案内(厚生労働省)

 

(2)受講費用の50%が支給される条件

 

受講費用の50%(年間上限40万円)の支給を受けるためには、以下の手続きが必要です


1.受講前

・ジョブ・カードの作成

・訓練前キャリアコンサルティングの受講

・ハローワークで必要書類の提出


2.受講終了後

・受給資格者証の取得

・ハローワークで教育訓練給付金の支給申請手続き(受講修了日の翌日から1か月以内)

 

受講期間が6か月以上の講座を受講する場合は、訓練期間中6か月ごとに支給申請を行う必要があります。

 

参考URL:教育訓練給付制度(ハローワーク公式サイト)

 

(3)受講費用の20%が支給される条件

 

受講費用の50%の支給条件を満たした上で、講座修了後1年以内に就職した場合、以下の要件を満たしていれば、さらに受講料の20%(年間上限16万円)の給付が受けられます。

雇用保険加入者

講座修了後、1ヶ月以内に追加支給申請が必要

雇用保険未加入者

講座修了後に12ヶ月以内の就職(雇用保険加入)が必要

就職後、1ヶ月以内に追加支給申請が必要

受講費用の50%の給付を受けた上に、追加で20%支給されるため、受講費用の最大70%を受け取ることになります。ただし、年間上限56万円という制限が設けられています。

4.Reスキル講座の一覧

Reスキル講座の一覧は経済産業省が公開している以下のページから確認できます。

参考URL:第四次産業革命スキル習得講座 一覧(経済産業省)

 

2023年10月1日時点で、140講座がReスキル講座の認定の適用を受けています。2023年10月からは、「デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に関する知識及び技術」という新たな分野も講座の対象となりました。Reスキル講座は技術の進化に合わせて内容を更新し続け、今後も認定講座の数は増え続けると予想されます。

 

Reスキル講座の中でも特におすすめの講座はこちらのページで紹介しているので、参考にしてください。

参考記事:分野別・Reスキル講座のおすすめは?選び方のポイントも解説

5.Reスキル講座受講の流れ

Reスキル講座の受講の流れを紹介します。

 

1.講座の候補を絞る

2.資料請求・説明会の参加

3.訓練前キャリアコンサルティングを受ける

4.ハローワークで手続きをする

5.受講開始

6.修了証を受け取る

7.ハローワークで給付金の申請をする

 

(1)講座の候補を絞る

 

まずは、講座の候補を絞り込みます。受講する講座の分野について迷っている場合は、ご自身の興味やキャリアの方向性にもとづいて、習得したいスキルの分野を選定するところから始めましょう。

第四次産業革命スキル習得講座 一覧(経済産業省)では、詳細な講座情報を確認できるので、ご自身の目的や予算、受講期間などを考慮して講座を選定するとよいでしょう。

 

(2)資料請求・説明会の参加

 

講座の候補を絞り込めたら、資料請求や説明会への参加などを通じて、積極的に情報収集をしましょう。

説明会に参加して、講座のカリキュラムや習得できるスキルなどをより深く理解することで、自分の目的に合う講座なのか確認できます。

Reスキル講座提供スクールでは、公式Webサイトを通じてオンラインの説明会や資料請求サービスを提供していることが多いです。

 

(3)訓練前キャリアコンサルティングを受ける

 

受講前に訓練対前キャリアコンサルティングを受け、就業の目標や職業能力の開発・向上に関する事項をまとめたジョブ・カードを作成する必要があります。

以下のWebサイトから事前にジョブ・カードを作成しておくと、訓練対前キャリアコンサルティングをスムーズに進められます。

参考URL:マイジョブ・カード(厚生労働省公式サイト)

 

(4)ハローワークで手続きをする

 

専門実践教育訓練給付金を受給するためには、原則として受講開始日の1か月前までにハローワークでの手続きを完了させる必要があります。

手続きには、訓練前キャリアコンサルティングや受給資格の確認申請が含まれます。

 

(5)受講開始

 

ハローワークやReスキル講座提供スクールでの手続きが完了次第、受講開始します。

受講中にReスキル講座提供スクールから受け取った受講証明書は、ハローワークへの支給申請時に必要なため、大切に保管してください。

支給申請は、受講開始日から6か月ごとの期間(支給単位期間)の末日の翌日から起算し、1か月以内に行う必要があります。

 

(6)修了証を受け取る

 

無事に講座を修了した際、Reスキル講座提供スクールから修了証明書が交付されます。

この修了証明書は、ハローワークへの支給申請の際に必要なので、紛失しないよう大切に保管してください。

 

(7)ハローワークで給付金の申請をする

 

給付金を受けるため、講座修了日の翌日から起算して1ヶ月以内にハローワークへの申請が必要です。

雇用保険加入者の場合、講座修了日の翌日から1か月以内に申請することで、追加給付を受けられます。

ただし、資格取得等を目標とする専門実践教育訓練の場合、追加給付を受けるにはその要件を満たすことが条件となります。

6.Reスキル講座に関するよくある質問

最後に、Reスキル講座に関するよくある質問と回答を紹介します。

 

(1)Reスキル講座は働きながら受講できますか?

 

Reスキル講座は、働きながら受講できます。

Reスキル講座は、社会人が高度な専門性を身に付け、キャリアアップを実現することを目的として設計されています。そのため、オンライン形式で提供するなどの工夫がされており、忙しい社会人でも仕事を休むことなく受講できます。

 

(2)Reスキル講座のおすすめの分野は?

 

Reスキル講座のおすすめの分野は、個人の興味やキャリアの目標に応じて異なります。

特に、ITやデータ関連の分野は現在の求人市場での需要が増しており、これらのスキルを持つことは、転職やキャリアアップの際に大きな利点となります。

参考記事:分野別・Reスキル講座のおすすめは?選び方のポイントも解説

 

(3)Reスキル講座に年齢制限はありますか?

 

いいえ、年齢制限は設けられていません。

 Reスキル講座は、全ての社会人を対象としていて、実際、幅広い年齢層の人たちが受講しています。専門実践教育訓練給付金の支給要件にも年齢に関する指定や制限などはありません。

 

(4)Reスキル講座の受講期間は?

 

Reスキル講座の受講期間は講座ごとに異なります。

一般的には数週間から最大2年までの間に設定されています。

具体的な期間や講座の詳細は、経済産業省の「第四次産業革命スキル習得講座 一覧」を参照してください。この一覧には各講座のリンクがあり、リンク先から受講期間を含む詳しい講座情報を確認できます。

参考URL:第四次産業革命スキル習得講座 一覧(経済産業省)

まとめ

この記事では、Reスキル講座の概要、対象となる分野、給付金の取得条件などについて解説しました。

 

Reスキル講座は、第四次産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)認定制度に基づき、社会人が専門的な知識や高度なスキルを効率よく習得できる構成になっています。受講料の最大70%が支給される専門実践教育訓練の一つなので、少ない自己負担で、高度なスキルを習得するチャンスといえます。

Reスキル講座で今注目されている職業の一つであるデータサイエンティストを目指してみたいという方は、データサイエンティスト育成講座の受講を検討してみてはいかがでしょうか。

 

データミックスでは、初学者や文系出身の方でもデータサイエンティストに必要な知識やスキルを体系的に学習できる「データサイエンティスト育成講座」をはじめ、気象庁認定講座である「気象データアナリスト養成講座」、人事領域に特化した「HRアナリスト養成講座」、プロダクトの成長をリードする「プロダクト・データアナリスト育成講座」が受講料の最大70%が支給される専門実践教育訓練の指定講座として認定されています。(2024年7月時点)

各講座では、ビジネスの課題を解決するための思考力と課題解決力を養うことを重視しているため、ビジネスの現場で役立つ実践的なスキルを習得できます。

オンラインで受けられる無料の個別相談も実施していますので、「カリキュラムの詳細を知りたい」「講座を受講してみたいけれど、ついていけるか不安」という方もぜひお気軽にお申し込みください。

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