データサイエンティストになるためには? 必要なスキルや学習方法を解説
データサイエンティストとは、データを分析してビジネスに役…
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データサイエンティスト
2023.12.15
DXリテラシーについて説明する前に、まずはDXの定義や概要について説明します。
デジタル・トランスフォーメーション(DX)とは、デジタル技術を用いて企業を変革する活動のことをいいます。変革の対象は商品やサービスをはじめ、業務内容やプロセス、組織体制、風土など広範囲にわたります。
補足として、DXと混同されがちな用語を2つ紹介します。
・デジタイゼーション:効率化・コスト削減などを目的とした単一業務のデジタル化(例:マクロによるエクセル転記作業の自動化、会議のオンライン化など)
・デジタライゼーション:新たな価値・顧客体験の創出などを目的としたデジタル技術によるビジネスモデルの変革(例:CDのレンタル・販売からSpotify等のサブスクリプションサービスへの移行による音楽提供など)
上記の2つは、DXとは異なる概念です。デジタイゼーションによる単一業務の効率化 → デジタライゼーションによる業務プロセス全体の変革 → 企業全体の変革(DX)と段階的に進むケースも多いため、それぞれが密接な関係にあります。
DXの目的は、外部環境の激しい変化に対応することです。あらゆる業界でデジタル技術やデータを用いた大きな変化が起きています。例えば、自動車業界では「100年に一度の大変革期」と呼ばれる時代が訪れています。自動運転や電気自動車、コネクテッドカーなどの新たな技術、カーシェアリングなどの新たなビジネスモデルが登場し、自動車という概念自体が変わろうとしています。これに伴い、巨大IT企業をはじめとした国内外の新たな競合相手が次々と現れています。特に高い技術力を持ち、市場の破壊的な変化をもたらす可能性がある存在は「ゲームチェンジャー」と呼ばれることもあり、市場環境を根底から変えてしまう可能性を秘めています。このような激しい変化に対応するためには、ビジネスモデルや企業そのものの変革が不可欠です。その手段としてデジタル技術を効果的に活用し、変革を進めていく必要があるのです。
DXリテラシーの定義や、類似した概念であるITリテラシーとの違いについて説明します。
DXリテラシーとは「DXの定義を正しく理解し、推進できるための知識やスキル」のことです。企業全体のDXを推進するためには従業員一人ひとりのDXリテラシーが欠かせません。例えば、管理職がDXを単なるデジタル化(デジタイゼーション)と勘違いしていた場合、現場の担当者はDXを推進しづらい状況になるでしょう。また、DXの目的や必要性については理解していても、エンジニアたちが適切な手段(ITツール、技術など)を選択することができないと、DXを推進することはできないでしょう。職種や階層によって要求される程度に差はあるものの、DXリテラシーはすべてのビジネスパーソンが身につけておくべきものと言えます。
ITリテラシーとはIT技術を上手く活用するための知識やスキルのことをいいます。DX推進の手段であるIT技術に対するリテラシーという位置づけといえば分かりやすいのではないでしょうか。DXリテラシーの一部にITリテラシーが含まれているといえます。
DXリテラシーをより具体的に理解するために、経済産業省が定めた「デジタルスキル標準」について説明します。
DXリテラシー標準とは、デジタル技術を活用する企業で働くすべてのビジネスパーソンが身につけるべき能力を定義したものとして、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)により制定されました。企業においてDXを推進するためには、全ての従業員がDXリテラシーを習得する必要があります。その際、最低限身につけておくべき知識・スキルを明文化したものがDXリテラシー標準です。
出典:
https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/ps6vr700000080fg-att/000106869.pdf
DX推進スキル標準とは、DX推進における人材の役割を分類し、それぞれの役割に求められる知識やスキルをまとめたものです。DX推進により達成したい目標を定めても、自社にDX推進に貢献できるスキルを持った人材がいない、どのようなスキルを従業員に習得させればよいか分からないという課題を抱えている企業も多く、そのような企業では、DX推進に必要な人材を確保または育成する際に、DX推進スキル標準を参考にするとよいでしょう。DXスキル標準を参考にすることで、各従業員が今後身につけるべきスキルを明確化し、キャリア開発につなげることができます。
DXリテラシーはどのようにして身に付けることができるのでしょうか。DXリテラシーを習得する方法について説明します。
DXリテラシーを習得する方法の一つとして、講座の受講が挙げられます。DXリテラシーは、「Why(DXの背景)」、「What(DXで活用されるデータや技術)」、「How(データや技術の利活用方法)」の3本柱で構成されています。
出典:
https://www.ipa.go.jp/jinzai/skill-standard/dss/ps6vr700000080fg-att/000106869.pdf
非常に広範囲の知識やスキルが含まれているため、独学ですべてを網羅的に学習するのは難しいでしょう。すべての範囲を体系的に網羅したカリキュラムが組まれている講座を受講すれば、DXリテラシーを効率良く習得できます。
DXリテラシーを習得するもう一つの方法として、経済産業省が推奨するDi-Lite資格を取得することが挙げられます。経済産業省は、デジタル技術に何らかの関わりを持つビジネスパーソンが身につけるべき最低限の知識・スキルとして「Di-Lite」を定義しました。Di-Liteは、「ITソフトウェア領域」、「AI・ディープラーニング領域」、「数理・データサイエンス領域」の3領域で定義されています。それぞれの領域に対応する資格を紹介します。
ITパスポート試験は「ITソフトウェア領域」に対応する資格です。ITを活用するすべての方が備えておくべき基礎知識を身につけていることを証明できる国家資格です。
G検定は「AI・ディープラーニング領域」に対応する資格です。AIやディープラーニングを活用する際に必要な知識を有しているかを確かめるための検定試験となっています。実装を担当するエンジニアというよりは、AIを活用するジェネラリスト向けの試験と言えます。
参考記事:G検定とは?難易度、勉強方法、勉強時間について解説
データサイエンティスト検定は「数理・データサイエンス領域」に対応する資格です。統計学やプログラミング、論理的思考力といったデータサイエンティストに必要とされる最低限の知識やスキルがあることを認定する試験です。
貴重な時間を割いて資格取得の勉強に取り組むなら、リテラシーレベルより実践的なスキルを身につけたいという方もいらっしゃるでしょう。そのような方におすすめなのが、今多くの企業から注目されているデータ分析実務スキル検定(CBAS)です。
CBASと他の資格との違いは、他の資格が専門知識やテクニカルなスキルを重点的に評価するのに対し、CBASは、「実務に直結した能力を測る」ことを重視している点です。CBASは、ビジネスの現場で本当に役立つ実務能力を持つ人材を求めている企業から高い評価を受けており、多くの企業で人材育成・評価の検定試験として導入されています。
CBASには、以下の2つの種類があります。
・CBAS プロジェクトマネージャー級(PM級):
組織横断的にデータ活用の推進をリードし、データ分析の専門家と経営陣の橋渡し役として機能するスキルを評価する試験
・CBAS シチズン・データサイエンティスト級(Citizen級):
ビジネスの現場に存在するデータを的確に活用し、分析するスキルを評価する試験
CBASについて詳しく知りたい方は公式サイトをご確認ください。
参考サイト:データ分析実務スキル検定(CBAS)公式サイト
この記事ではDXリテラシーの概要、DXリテラシーを習得するための方法などについて解説しました。
企業のDXを推進するには、全ての従業員がそれぞれの役割に応じたDXリテラシーを習得する必要があります。リテラシー習得の際に役立つのが各種資格試験です。この記事で紹介した内容を参考にご自身が身につけるべき知識やスキルを考え、学習につなげてみてはいかがでしょうか。
DXリテラシーを身に付けるだけではなく、ビジネスの現場で役立つ実践的なスキルを身に付けたいという方は、データサイエンスの実践的なスキルを学べる講座の受講を検討してみてはいかがでしょうか。
データミックスでは、初学者や文系出身の方でもデータサイエンティストに必要な知識やスキルを体系的に学習できるデータサイエンティスト育成講座を提供しています。
データサイエンティスト育成講座は、受講料の最大70%が支給される厚生労働省の専門実践教育訓練の指定講座として認定されている本格的な講座で、ビジネスの現場で役立つ実践的なスキルを習得できます。
オンラインで受けられる無料の個別相談も実施していますので、「カリキュラムの詳細を知りたい」「講座を受講してみたいけれど、ついていけるか不安」という方もぜひお気軽にお申し込みください。
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