ノーベル賞「気候予測モデル」で日本人受賞、企業による気象データ活用の注目高まる

データサイエンス

2021.10.14

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ノーベル賞「気候予測モデル」で日本人受賞、企業による気象データ活用の注目高まる

データミックスの清水と申します。

10月に入り、続々とノーベル賞受賞者の発表が行われていますね。
2021年のノーベル物理学賞には真鍋淑郎氏(プリンストン大学)・Klaus Hasselmann氏(マックスプランク研究所)・Giorgio Parisi氏(ローマ・ラ・サピエンツァ大学)が選出されています。
そして今回は、地球温暖化を予測する「気候変動予測モデル」の開発など、気象予測の礎を築いた真鍋氏の研究と、これからの時代に求められる「企業による気象データの活用」について見ていきたいと思います。

CO2と地球温暖化の関係を可視化、気候モデルの礎を築いた功績

真鍋氏は自然科学の一分野である地球科学の研究者であり、放射収支(地表面が太陽から受け取るエネルギーから、地表面から天空に逃げていくエネルギーを差し引いたエネルギー)と大気の対流との相互作用を解明した最初の研究者です。真鍋氏の研究により、CO2と地球温暖化の関係が初めて定量的に示されたようです。そして真鍋氏の研究は、現在の気候モデル開発の基礎ともなっており、人類にとって重要かつ複雑な気候システムを紐解いた功績が認められ今回のノーベル物理学賞受賞に至ったようです。

 

地球温暖化と気象

このような地球温暖化に関連するトピックが受賞に至った背景として、SDGs(持続可能な開発目標)が注目されているという社会背景も関連しているのかもしれません。真鍋氏の研究が示しているように、CO2と地球温暖化の関係は定量的に示されている一方で、日本をはじめ、世界中でCO2濃度は年々上昇しています。

気象庁の観測点における二酸化炭素濃度及び年増加量の経年変化
出所:気象庁「二酸化炭素濃度の経年変化」
https://ds.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/ghgp/co2_trend.html

地球全体の二酸化炭素の経年変化
出所:気象庁「二酸化炭素濃度の経年変化」
https://ds.data.jma.go.jp/ghg/kanshi/ghgp/co2_trend.html

もし現在の自然環境を維持したいと思うのであれば、CO2濃度を下げ、地球温暖化が進まないよう直ぐにでも行動する必要があります。しかし直近1, 2年でCO2濃度が急激に下がるということは考えにくいので、(緩やかであったとしても)地球の平均気温は上昇していくでしょう。そして地球の平均気温が上昇することで発生する事象の一つとして、降雨パターンの変動が考えられます。気温が上がると海からの蒸発量が増えるため、熱帯低気圧がいまよりも増え、世界中で現在よりもさらに降雨量が増加するということが想定できます。

気象は、地球環境や生態系にとってとても密接なものであり、それは我々人間の暮らしも例外ではありません。では、私たちの暮らしにはどのような影響を与えているのでしょうか?

今回はビジネスと気象という観点で、気象の影響について考えていきたいと思います。

企業による気象データの活用が求められる時代

例えばホテルであれば、気温や気候によって宿泊数が変動する可能性があります。他にも農業であれば、気温や気候によって施肥量や灌水量を変更する必要があるかもしれません。このように気象がビジネスに与える影響の例は枚挙にいとまがないです。

多くのビジネスが気象の影響を受けていますが、企業は気象データをうまく活用できているのでしょうか?以下グラフを確認すると、多くの企業が経験と勘に頼って、気象データを活用しているというのが現状です。

気象庁「気象データの利活用状況に関する調査結果の概要」を参考に作成
https://www.data.jma.go.jp/developer/R1_chousa/R1_chousa_01.pdf

それではなぜ気象情報を企業はうまく活用できないのでしょうか?経験と勘を元に判断を行っている企業のうち、気象データの分析をできていない理由として最も多く挙げられたのが、専門的人材の不足です。つまり私達のビジネスに少なからず影響を与えている気象情報を利用したいと思っても、気象情報を取り扱える専門的人材が不足しているという問題が発生しています。

気象庁「気象データの利活用状況に関する調査結果の概要」を参考に作成
https://www.data.jma.go.jp/developer/R1_chousa/R1_chousa_01.pdf

上記のような状況を受け、データミックスは気象 × データサイエンスでビジネス課題の発見と解決が行える「気象データアナリスト養成講座」を立ち上げました。

気象データアナリスト養成講座は、経産省の管轄する第四次産業革命スキル習得講座認定制度(Reスキル講座)の認定、気象庁の管轄する気象データアナリスト育成講座の認定、および厚生労働省の専門実践教育訓練給付制度に認定されています。

専門実践教育訓練給付制度とは、厚生労働大臣が指定した専門実践教育訓練の講座を受講し、一定の要件を満たす場合、教育訓練施設に支払った教育訓練経費の50~70%が支給される制度です。

気象データアナリスト養成講座は、

・気象予報士の資格をもつ現役気象データアナリスト監修
・実在する企業の生データを使用した分析が可能

といった特徴もあります。もしご興味頂けたらカリキュラム詳細のダウンロード無料説明会のお申込み下さい!
改めて真鍋淑郎氏・Klaus Hasselmann氏・Giorgio Parisi氏、ノーベル物理学賞受賞おめでとうございます!

 


書いた人:清水 嵩文

生命保険会社、インターネット広告代理店を経て、2018年に株式会社データミックスに入社。大手通信キャリア、大手人材紹介会社、チャットツール運営会社などのコンサルティング案件を担当。また社内のDX推進やコンテンツ開発を担当し、現在はマーケティングチーム所属。

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