Kaggleとは・使い方などの基礎知識を初心者向けに解説

機械学習

2023.10.11

INDEX

Kaggle は、世界中の機械学習を学ぶ人のためのプラットフォームです。Kaggleに登録することで、誰でも機械学習コンペの参加や学習コースの利用ができます。 データサイエンスや機械学習の勉強をしている方の中には、Kaggleに興味があるけれど、すべて英語で書かれたサイトなので理解できるのか不安だという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、そのような方に向けて、Kaggleの概要や利用方法、コンペに参加するメリットなどを解説します。

1.Kaggleの基本的な使用方法

ここではまず、Kaggleの基本的な使い方について説明します。

 

(1)アカウントを作成

 

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出典:https://www.kaggle.com/#

 

Kaggleを利用するためにはアカウントの作成が必要です。アカウントは、Kaggleのトップページの「Register」からメールアドレスとパスワードを入力すると簡単に作成できます。

 

(2)データセットの入手

 

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出典:https://www.kaggle.com/datasets#

 

Kaggleでは投稿されているデータセットをダウンロードして、データ分析ができます。現在、24万8,000もの高品質のデータセットを利用することが可能です。データセットの種類は多様で、中にはAmazonやLinkedInから作成されたものもあります。

 

Kaggleのデータセットは実際のWebサービスから作成したものも多く、実社会のデータに基づいた分析ができます。これらのデータセットを利用して、自分が勉強した手法を実際に試すことができます。

 

(3)コンペの参加

 

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出典:https://www.kaggle.com/competitions

 

Kaggleでは世界中の企業や団体がコンペを開催しており、その数は2万5,000にものぼります。コンペには、誰もが自由に参加できます。GoogleやAmerican Expressなど日本でも知られる大企業もコンペを開催しています。難易度もさまざまで、上級者向けのものから初心者向けのものまであります。

 

コンペでは、企業が実際に直面している課題をどのチームまたは個人が最も精度良く解決するかを競います。コンペで優秀な成績を修めると、金メダル、銀メダル、銅メダルが授与されます。中には賞金付きのコンペもあります。機械学習に慣れてきた方は、コンペでの上位入賞を狙って挑戦してみてはいかがでしょうか。

2.初級者におすすめの使い方

機械学習やデータサイエンスの勉強をするには、Kaggleのコンペに積極的に参加するとよいでしょう。しかし、勉強を始めたばかりで世界中から参加している他の参加者たちに太刀打ちできるのかと不安に感じる方もいらっしゃるでしょう。その場合は、コンペに参加する前に以下の3つを試してみましょう。

 

(1)Kaggle Learnで勉強する

 

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出典:https://www.kaggle.com/learn

 

Kaggle Learnは、17のCoursesと6つのGuidesで構成されています。

Coursesには、データサイエンス初心者向けの教材が揃っています。プログラミングの基本事項から始まり、Python の使い方、機械学習、SQL、深層学習、強化学習などを網羅的に学習できます。

Kaggle Learnのコースを修了することで、データサイエンスの基本が身に付きます。これだけの教材をすべて無料で受講できるのは大変魅力的です。また、Coursesを修了すると修了証明書が発行されます。

また、GuidesではKaggleコミュニティが作成した高品質の教材が提供されています。現在、JAXやTensorFlow、R言語などの学習ができます。こちらは修了証明書の発行はありませんが、Coursesと同様に無料で利用できます。英語に抵抗がない方はKaggle Learnでデータサイエンスを無料で学んでみましょう。

 

(2)他人のコードを見て勉強する

 

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出典:https://www.kaggle.com/code

 

Codeから世界中の人が作成したNotebookを閲覧できます。中には、初心者向けに機械学習の手法をわかりやすく説明しているNotebookもあるので、ぜひ活用しましょう。

 

(3)既に終了したコンペに取り組む

 

過去に開催したコンペに取り組んでみるのもいいでしょう。Kaggleでは過去に開催したコンペの議論やコードの記録が残っています。これらの記録を読むことで、コンペに参加する際にどのようにアプローチしていけばよいか理解できます。

3.Kaggleのコンペティションの例

Kaggleではこれまで2万5,000以上ものコンペが開催されてきました。ここでは、Kaggleが初心者向けに提供しているコンペを3つ紹介します。これらの初心者向けコンペについては日本人の個人ブログでも解説されているので、英語がわからなくても参加しやすいです。

 

(1)Titanic – Machine Learning from Disaster

 

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出典:https://www.kaggle.com/competitions/titanic

 

Titanicコンペは、Kaggleに初めて触れる人の登竜門です。このコンペではタイタニック号難破事故で生き残った乗客を年齢や性別、客室の階級などから予測するモデルを作成します。このコンペを通して、クラス分類問題への取り組み方を学習できます。

 

初心者向けのチュートリアルも掲載されているので、このコンペを通して、コンペの参加方法、機械学習の実装方法などの流れがわかるようになっています。

 

(2)House Prices – Advanced Regression Techniques

 

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出典:https://www.kaggle.com/competitions/house-prices-advanced-regression-techniques

 

Titanicに挑戦した後は、House Pricesにも挑戦しましょう。このコンペでは、アイオワ州エイムズの住宅価格を住宅の特徴から予測するモデルを作成します。このコンペでは回帰問題への取り組み方を勉強できます。

 

(3)Spaceship Titanic

 

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出典:https://www.kaggle.com/competitions/spaceship-titanic

 

Titanicに挑戦した後は、Spaceship Titanicにも挑戦するとよいでしょう。内容は、宇宙船タイタニックの乗客で異次元に飛ばされる乗客を予測するというものです。Titanicのコンペと似た問題なので、Titanicで利用した手法を応用できます。

4.Kaggleのコンペに参加する3つのメリット

Kaggleのコンペに参加するメリットとして、主に以下の3つが挙げられます。

 

・実践を通じてデータサイエンスを学べる

・世界中の人とつながれる

・自分のスキルが客観的に評価される

 

それぞれのメリットについて説明します。

 

(1)実践を通じてデータサイエンスを学べる

 

Kaggleのコンペに参加すると、実践を通してデータサイエンスを学べます。機械学習にはさまざまな手法がありますが、これらを実際にコンペに応用することで、より理解を深められます。

 

(2)世界中の人とつながれる

 

Kaggleは世界中で利用されています。そのため、世界中の人と交流ができます。Notebooksでは、世界中の人がどのようなコードを書いているかがわかります。また、コンペでわからないことがあっても、Discussionで質問できます。

 

(3)自分のスキルが客観的に評価される

 

Kaggleに参加すると、自分のスキルが客観的に評価されます。Kaggleのコンペでは、より精度の高いモデルを作成できればメダルを授与されます。また、メダルを複数所有しているとKaggleのランクが得られます。特に、Expert以上のランクになれば機械学習モデルを一通り構築できる人材として、就職や転職でも有利にはたらくでしょう。

5.Kaggleに関するよくある質問と回答

ここでは、Kaggleに関して寄せられる代表的な質問にお答えします。

 

(1)日本語対応していない?

 

Kaggleは日本語には対応していません。データサイエンスの分野は世界中で研究されており、新しい手法は英語で発表されます。そのため、初心者のうちから英語に慣れておく方が成長につながりますもし、英語が苦手だとしても、英語をGoogle翻訳やDeepLで翻訳しながら読むことも可能です。

 

また、日本語でコンペに参加したい場合はSIGNATEがおすすめです。

SIGNATEは日本語でデータサイエンスや機械学習のコンペを開催しています。こちらも10万人以上が参加していて、コンペもこれまで72万件以上投稿されてきました。三菱UFJファイナンシャル・グループやウェザーニュース、国立研究開発法人海洋研究開発機構など誰もが知る企業や団体もコンペを開催しています。SIGNATEもKaggle同様、懸賞付きのコンペがあります。また、コンペで入賞すると称号が得られます。SIGNATEでは学生向けのコンペも開催されていて、就職活動のアピールにも使えます。

SIGNATEはコンペを開催しているだけではなく、Learningでデータサイエンスを学ぶことも可能です。こちらも、すべて日本語でわかりやく説明されているので、初心者でも勉強しやすいです。

 

(2)Kaggleのランクとは?

 

Kaggleでは、Competitions、Datasets、Notebooks、Discussionsそれぞれのカテゴリーで、その人の実力に応じて5つのランク分けがされています。

 

・Novice

・Contributor

・Expert

・Master

・Grandmaster

 

それぞれのランクについて説明します。

 

①Novice

一番下のランクで、Kaggleに登録すると得られます。

2023年9月現在、Kaggleのメンバーの約6割を占めています。

 

②Contributor

ContributorはKaggleに登録後、一通りの機能を試すと得られます。Kaggle全体の約3割を占めます。

Contributorになる条件は以下の4つです。

・NotebookやScriptを実行する

・1回コンペで結果を提出する

・1回コメントをする

・1回高評価する

 

③Expert

Expertはそれぞれのカテゴリーで十分なスキルが身についていることを証明します。Kaggle全体の5%ほどを占めています。

Expertになる条件はカテゴリーごとに条件が異なり、それぞれ以下のとおりです。

・Competitions 銅メダルを2回取る

・Datasets 銅メダルを3回取る

・Notebooks 銅メダルを5回取る

・Discussions 銅メダルを50回取る

 

④Master

Masterになると、それぞれのカテゴリーで卓越性の高い存在であることを証明できます。Kaggleの登録者の中で占める割合はわずか1%です。

 

Masterになる条件はカテゴリーごとに異なり、それぞれ以下のとおりです。

・Competitions:金メダルを1回、銀メダルを2回取る

・Datasets:金メダルを1回、銀メダルを4回取る

・Notebooks:銀メダルを10回取る

・Discussions:銀メダルを50回含んで合計200回メダルを取る

 

⑤Grandmaster

Grandmasterは最も高いランクです。このランクはそれぞれのカテゴリーで最高峰のレベルであることを証明します。Kaggleの登録者の中で占める割合はわずか0.1%で、希少な存在といえます。

 

Grandmasterになる条件もMasterと同様にカテゴリーごとに異なり、それぞれ以下のとおりです。

・Competitions:金メダルを5回、かつ一人で金メダルを取る

・Datasets:金メダルと銀メダルを5回ずつ取る

・Notebooks:金メダルを15回取る

・Discussions:金メダル50回を含んで合計500回メダルを取る

 

(3)KaggleのNotebookとは?

 

NotebookとはKaggleで利用できるPythonやRの環境です。このNotebookを利用することで、自分で環境を作らなくてもPythonやRを利用できます。このNotebookにコードを書くことで、コンペに参加できます。また、自分の書いたNotebookをKaggleで公開することもでき、高評価がつくほど自分のランクが上がります。

 

(4)Kaggleのコンペティションの期間は?

 

Kaggleのコンペの開催期間の多くは2~3ヶ月です。その間、世界中の人が精度の向上を目指して試行錯誤を繰り返します。コンペ期間中は、何回でもコードを提出できるので、精度の向上を目指して何度もトライしてみましょう。

まとめ

この記事では、Kaggleの概要や利用方法、コンペに参加するメリットなどについて解説しました。

 

Kaggleはこれからデータサイエンスや機械学習を学ぶ人にとって最適なプラットフォームです。コンペだけでなく、データサイエンスの学習コースやデータセット、ディスカッションなどが充実しているので、ぜひ積極的に活用してください。

 

データサイエンスに関する幅広い知識を体系的に学びたい方や、実践的なスキルを身に付けてデータサイエンティストとして活躍したい方は、データサイエンティスト育成講座の受講を検討してもよいでしょう。

 

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