データサイエンティストになるためには? 必要なスキルや学習方法を解説
データサイエンティストとは、データを分析してビジネスに役…
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データサイエンス
2023.06.29
Pythonは、1990年初頭にGuido van Rossum(グイド・ヴァンロッサム)氏によって開発されたプログラミング言語です。
直感的で読みやすい文法から、プログラミング初心者から上級者まで幅広く支持されています。Pythonはデータ分析、業務効率化、Webアプリケーションなど、さまざまな分野で活用されています。
Pythonの主な特徴は以下のとおりです。
・シンプルで読みやすい文法:Pythonの文法は明確で、他の言語に比べて短いコードで多くのことを実現可能
・充実したライブラリとフレームワーク:多くのライブラリとフレームワークを備えており、これにより効率的な開発が可能
・広範囲の日本語リソース:Webサイトや書籍など、Pythonに関する日本語の情報が豊富
・豊富な実績:YouTubeやInstagramなど世界的に有名なサービスで採用されている
Pythonでできることを以下に紹介します。
・意思決定をサポートする「データ分析」
・Webサイトからの情報を収集する「Webスクレイピング」
・複雑なパターンを自動的に学習する「ディープラーニング(深層学習)」
・コンピュータが人間の言葉を理解する「自然言語処理」
・画像内の物体や特徴を抽出する「画像解析」
・「ExcelやWordの自動化」による業務効率化
・Web APIを使用した「SlackやLINEとの連携」
それぞれについて詳しく説明します。
Pythonはデータ分析業務において非常に有用なプログラミング言語です。
データ分析とは、ビジネスの課題解決や意思決定の支援などのために、収集したデータを分析することです。
データ分析の主なステップは以下の通りです。
①データ収集
・分析目的を踏まえたデータの収集
・Web上のデータの収集や社内データベース(DB)からのデータ出力
②データの前処理
・収集データの加工・整形・クレンジング(誤記や未入力・重複などの修正)などの分析
・可視化して使いやすい形式への変換
③データ解析
・分析目的に応じた解析手法の実施
・性質・関係性の把握、予測、クラスタリングなど
④データ可視化
・分析目的に応じて可視化の実施
・2軸チャート(グラフ)化、地図上、リアルタイムの可視化など
Pythonには、上記の各ステップで活用できる多くのライブラリがあります。
例えば、データ収集では、PythonライブラリのBeautifulSoup4やSeleniumを使用すれば、Webサイトから情報を取得できます。また、データの前処理には、Pythonライブラリのpandasを使用することで、データの加工・整形・クレンジングを簡単に行うことが可能です。
Webスクレイピングとは、Web上で公開されているテキストデータや写真、表などの情報を収集する技術です。例えば、競合分析を行うために、ECサイトから商品や価格情報を取得する際に活用できます。
PythonライブラリのRequestsとBeautifulSoup4を使用することで、簡単にWebスクレイピングを行うことができます。具体的な手順は、まずRequestsでWebサイトのHTMLデータを取得し、次にBeautifulSoup4を使ってHTML情報を解析し必要な情報を抽出します。この情報抽出のためには、HTMLの構造についての基本的な知識が必要です。
Webスクレイピングは著作権法や不正アクセス禁止法に抵触する可能性があるため、行う際には十分な注意が必要です。事前に対象とするWebサイトの利用規約を確認し、可能な場合はWeb APIを使用するなどの工夫をすることで、法的な問題を回避することが重要です。
ディープラーニング(深層学習)とは、機械学習手法の一種で、人間の脳神経を模倣したニューラルネットワークをベースにしています。
機械学習とは、大量のデータから機械が自動的に学習し、そのデータのルールやパターンなどの特徴を発見する手法のことです。
ニューラルネットワークは、以下の3つの層から構成されています。
・入力層:データの入力
・中間層:データの解析を行い、特徴を抽出
・出力層:結果の出力
ディープラーニングは、より複雑なデータの特徴抽出に対応できるよう、中間層を多層化したニューラルネットワークの手法です。多層化により分析精度が向上し、自然言語処理や画像解析などの難解なタスクで活用されています。
Pythonには機械学習ライブラリも充実しており、Scikit-learnやTensorFlow、PyTorchなどが広く利用されています。
自然言語処理は、人間が日常的に使用する自然言語をコンピュータが解析・理解できるようにする技術です。
コンピュータが用いるプログラミング言語と違い、自然言語は、単語の省略や意味の曖昧さなどコンピュータが解析するには困難な特性を持っています。
自然言語処理は、機械翻訳や感情分析、ドキュメント分析、コンテンツ分類など、さまざまな応用分野で使用されています。
Pythonの機械学習ライブラリを使用して自然言語処理を実装することが可能です。また、Google Natural Language APIのようなWeb APIを利用することで、より簡単に自然言語処理のシステムを構築することもできます。
画像解析は、カメラやセンサーから取得した画像を対象に、コンピュータがパターンを認識し、形状や色彩などの特徴を抽出する技術です。画像を解析することで、映し出されている物体や人物を特定することも可能です。
画像解析は、画像ラベリング、光学式文字認識(OCR)、不適切なコンテンツのフィルタリングなど、さまざまな応用分野で使用されています。
PythonライブラリのOpenCV-PythonやTensorFlowを使用することで、顔認識や追跡などの画像処理が可能です。また、Google のVision APIのようなWeb APIを利用することで、より簡単に画像解析のシステムを構築できます。
Pythonを利用することで、ExcelやWordファイルの操作(作成、読込、編集)を自動化することが可能です。例えば、Excelファイルでは、グラフ作成なども容易に自動化できます。
大量のファイルを扱う場合や定常的な作業を自動化することで、業務の効率化を図ることができます。ただし、少量のファイルを操作する場合は、手作業で行う方が効率的な場合もあります。Pythonでプログラム化するか、Excelの関数を利用するか、または両方を組み合わせるかなど、状況に応じて最適な手段を選択することが大切です。
PythonライブラリのOpenPyXLやpandasを使用することでExcelファイル、python-docxを使用することでWordファイルの操作ができます。
多くの企業がWeb API(Application Programming Interface)を公開しており、Web APIを利用することで、その企業が提供するサービスにアクセスできます。
Web APIとして天気予報や株価情報、地図情報なども利用可能です。
Web APIへのアクセスはHTTP/HTTPS経由で行います。PythonライブラリのRequestsを使うことで、Web APIへ簡単にアクセスできます。
Salesforce社のSlackやLINE社のLINEも、それぞれWeb APIを公開しています。
SlackではSlack API、LINEではLINE Notify APIが提供されており、これらのAPIを使用することで、メッセージや画像の送信が可能となります。
例えば、毎日の天気予報や株価情報をSlackやLINEに送信することも可能です。
以下のアプリ開発にはPythonが適さない可能性があります。
・プラットフォームに特化したネイティブアプリ開発
・高速処理が求められるアプリ開発
それぞれについて詳しく説明します。
Pythonで開発されたアプリは、iOS向けスマートフォンやWindows向けのパソコンなどのプラットフォームに特化したネイティブアプリに比べて、機能や性能で劣る可能性があります。
ネイティブアプリは、特定のプラットフォームの仕様に最適化して開発されるため、そのプラットフォームの機能や性能を最大限に引き出すことが可能です。一方、Pythonは多様なプラットフォームに対応することを目指す汎用性の高い言語です。そのため、特定のプラットフォームに特化した高機能なアプリ開発を行う場合には、Pythonはあまり向いていません。
高速処理が求められるアプリ開発には、Python よりCやJavaなどのコンパイル言語がより適しています。
Pythonはインタプリタ言語で、一般にコンパイル言語と比較して実行速度が遅いです。インタプリタ言語はソースコードを一行ずつ翻訳しながら実行します。一方、コンパイル言語はソースコード全体を実行ファイルに変換し、プログラム実行時にそのファイルを使用します。
インタプリタ言語であるPythonは、実行中にソースコードを翻訳する必要があるため、コンパイル言語よりも実行速度が一般的に遅いです。
PythonライブラリをC言語やJavaなどのコンパイル言語で開発するなどの高速化技術を用いることで、Pythonの実行速度を改善する取り組みも進んでいますが、現時点では、Pythonは高速処理が必要なアプリ開発に向いているとはいえません。
Pythonは、世界的に有名な以下のサービスの開発に使われています。
・YouTube
・Dropbox
・Pepper
それぞれについて簡単に紹介します。
YouTubeはGoogle社が運営する世界最大の動画共有サービスです。
2022年1月時点での月間アクティブユーザー数は約25.6億人という高負荷なサービスですが、Pythonを用いて開発されています。
Pythonの効率性とスケーラビリティにより、最小限の開発コストで十分なパフォーマンスを得られています。
Instagramは、Meta社が運営する写真や動画の共有サービスです。
2022年1月時点での月間アクティブユーザー数は約14.8億人です。
InstagramはPythonフレームワークのDjangoを使用して開発されています。
Pinterestは、Pinterest社が運営する画像共有サービスです。
2022年1月時点での月間アクティブユーザー数は約4.4億人です。
Instagramと同様に、PinterestもPythonフレームワークのDjangoを使用して開発されています。
Dropboxは、各種ファイルを保存や共有することができるクラウドストレージサービスです。
Webアプリケーションからデスクトップアプリ、スマートフォンアプリまで、全てPythonで開発されています。
また、Pythonの創設者であるGuido van Rossum氏が以前Dropbox社に在籍していたというエピソードもあります。
Pepper(ペッパーくん)は、SoftBank Robotics社が製造する人型ロボットで、家庭や介護、接客などで利用されています。
Pepperの制御はPythonでプログラミングできるため、用途に応じてカスタマイズが可能です。
Pythonはライブラリが豊富に用意されているため、Pythonの基本文法を理解していれば、比較的簡単にプログラムを作成できます。
初心者にとっては、プログラム作成よりもPython開発環境を構築することの方が難しいかもしれません。
今回は初心者が比較的簡単に作成できるプログラムとして以下の3つを紹介します。
・Excelの自動化
・Webスクレイピング
・Webアプリケーション
PythonライブラリのOpenPyXLを使用すれば、Excelファイル操作を自動化するプログラムを簡単に開発できます。OpenPyXLは公式サイトで詳細に解説されており、日本語のWeb記事も多数存在しているため、情報収集が容易です。
まずは、OpenPyXLのTutorialを参考にし、そのコードの動作と意図を理解することから始めることをおすすめします。
参考URL:OpenPyXL Tutorial
PythonライブラリのRequestsとBeautifulSoup4を使用すれば、スクレイピングのプログラムを簡単に開発できます。
RequestsとBeautifulSoup4も公式サイトで詳細に解説されており、日本語のWeb記事も多数存在しているため、情報収集が容易です。ただし、必要な情報を抽出するためにはHTMLの基本的な知識が必要となります。
Webスクレイピングの手順は、まずRequestsでWebサイトのHTMLを取得し、次にBeautifulSoup4でHTMLを解析し必要な情報を抽出するという流れになります。
まずはRequestsやBeautifulSoup4のQuick Startを参考にし、そのコードの動作と意図を理解することから始めることをおすすめします。
参考URL:Requests Quick Start
(3)シンプルなWebアプリケーション
シンプルなWebアプリケーションとして、投票(Poll)アプリケーションを紹介します。
このPollアプリの開発は、PythonのフレームワークであるDjangoのGetting startedを通じて学習することができます。
Djangoは、InstagramやPinterest、NASAなどで活用される人気のフレームワークで、フロントエンドからバックエンドまで、Webアプリケーション開発に必要な機能を全て提供しています。
Pollアプリケーション開発は、初心者にとって少し難易度が高いですが、Webアプリケーション開発から自動テストまで学ぶことができます。興味がある方はぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
この記事では、これからPythonを学んでみたいという初心者の方に向けてPythonでできることや、初心者が簡単に作れるプログラムなどを紹介しました。
Pythonはさまざまな分野で活用され、初心者でも比較的簡単にプログラムを作ることができます。
Pythonを学習したいけれど、習得したスキルをどのように仕事に活用すればよいのか、自分のキャリアにどのように組み込むことができるのか、具体的な道筋が見えないという方もいるかもしれません。
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