アメリカのデータサイエンティストの年収事情【全米でもトップクラス】

データサイエンティスト

2023.05.08

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アメリカ労働統計局が2022年に発表した「Occupational Employment and Wage Statistics(職業別雇用・賃金統計)」によると、高収入の上位に挙がっている職種のほとんどが、専門性が高く、多くの職種で資格や免許が必要です。 日本における職種別年収ランキング1位の職種(医師)と日本人全体の平均年収との差は約3倍であるのに対して、アメリカでは約6倍の差となっています。アメリカでは専門職の年収が日本より高い傾向にあるようです。 では、アメリカのデータサイエンティスト職の年収事情はどうなっているでしょう。 この記事では、アメリカにおけるデータサイエンティストの年収についての考察を行い、日本との比較や年収が高くなる理由、また日本のデータサイエンティストの将来についてわかりやすく解説します。

アメリカのデータサイエンティストの年収事情

世界の求人を取り扱っているindeedサイト上で、アメリカにおけるデータサイエンティストの平均基本給を調べてみると、1年間あたり144,303ドル(2023年2月現在 日本円換算で1,876万円※1)という数値が出てきます。

イギリスにおけるデータサイエンティストの平均基本給は、1年間あたり50,546ポンド(2023年2月現在 日本円換算で758万円※2)ですので、物価の違いなどもあって単純に比較できない面もありますが、アメリカが飛び抜けて高給であることがわかります。

ちなみに、イギリスにおける外科医の平均基本給は1年間あたり77,220ポンド(2023年2月現在 日本円換算で1,158万円※2)、アメリカの外科医の平均基本給は1年間あたり297,800ドル(2023年2月現在 日本円換算で3,871万円※1)ですので、データサイエンティストに限らず、また日本との比較にとどまらず、アメリカの専門職が世界的に見てもかなり高額な年収を得ていることがわかります。

(※1:1ドル130円にて試算)

(※2:1ポンド150円にて試算)

参考記事:Best Jobs in America | Glassdoor

アメリカのデータサイエンティストが高収入になる理由

アメリカのデータサイエンティストが高給になる理由として、圧倒的な人手不足が挙げられます。日本においてもIT人材の不足がいわれていますが、それは世界的な傾向であり、アメリカでは一層顕著です。

例えば、シリコンバレーなどにあるIT関連企業には、高給であることを理由にイギリスなど英語圏からデータサイエンティストが集まっていますが、それでも慢性的な人手不足の状況は続いています。

ちなみにシリコンバレーのIT関連企業の場合、給料にプラスしてストックオプションが付くケースが多いので、年収は2000万円を軽く越えるといわれています。

参考資料:米国におけるテック人材に関する動向

データサイエンティストの年収の日米比較

日本のデータサイエンティスト職の平均年収は、国の調査結果やindeedなどに公開されている求人情報などから試算すると、530〜700万円程度になります。

参考記事:データサイエンティストの年収は高い? 高くなる理由と今後の展望

アメリカにおけるデータサイエンティストの平均年収は 日本円換算で1,876万円ということですので、日本のデータサイエンティストの平均年収を700万円としても、2.5倍ほどの開きがあります。

イギリスは日本円換算で758万円ですので、日英間ではそれほどの開きはなく、アメリカだけが突出して高額になっていることがわかります。

新卒採用についても、アメリカでは「大学で学んだことは職場で生かされる」という考え方があるため、アメリカの企業におけるデータサイエンティストの初任給は1,000万円を越えています。

一方で、日本の企業はあまり職種別採用を行わないので、初任給は職種に関わらず一律の場合が多く、300〜400万円程度です。

令和3年賃金構造基本統計調査(厚生労働省)によると、一般的な大卒者の平均初任給(残業代・賞与別)は22万5400円です。

大手インターネットサービス会社サイバーエージェントのように、一律の初任給を廃止して、高い技術力を持つ人材には新卒でも年収700万円以上の給与を提示する会社も出てきてはいますが、日本では今のところ一部の企業に限られます。

単純計算にはなりますが、統計数字から見ると、日米におけるデータサイエンティストの年収は、2〜3倍以上の開きがあると考えて間違いないでしょう。

日本のデータサイエンティストの将来は明るい?

国をあげてのDX推進、データ活用の機運、データサイエンティストに向けられる注目、それらを考慮すると、日本におけるデータサイエンティストの需要は今後も増加することが予想されます。データサイエンティストの収入も、増えることはあっても減ることは考えにくいといえるでしょう。

一方で、日本で活躍するデータサイエンティストは、日本に住んでいる限り、アメリカでのような収入を得るのは難しいのでしょうか。

厚生労働省が2021年に行った令和3年賃金構造基本統計調査によると、日本の職種別平均年収ランキングTOP10は下記の通りです。

1位:約1,378万円(医師)

2位:約1,072万円(航空機操縦士)

3位:約1,072万円(高専を含む大学教授)

4位:約1,030万円(その他の経営・金融・保険専門職業従事者)

5位:約945万円(弁護士など法務従事者)

6位:約856万円(高専を含む大学准教授)

7位:約840万円(管理的職業従事者)

8位:約787万円(歯科医師)

9位:約734万円(システムコンサルタント・設計者)

10位:約714万円(研究者)

一方で、アメリカ労働統計局が2022年に発表した「Occupational Employment and Wage Statistics(職業別雇用・賃金統計)」によると、2位の航空機操縦士は日本円換算で約2,576万円、9位のシステムコンサルタント・設計者は2,118万円であり、日本とは2~3倍以上の差がついています。

アメリカの労働者の平均年収が約750万円で日本の1.7倍であることを考えると、日本で働く高度専門職は、アメリカとの比較で、ほとんどの職種において年収はそれほど高額ではないといえます。

では、高度な知識とスキルを持つ日本のIT専門職は、年収を上げるためには野球選手のようにアメリカへ行って働くしか方法がないのでしょうか。

もちろんそれもひとつの方法ですが、英語力に加えて環境適応などハードルが高いのも事実です。

そこで考慮に入れたいのが、コロナ禍でようやく日本でも定着した感のあるリモート勤務です。データサイエンティストやシステムエンジニアのワークスタイルは、諸々の制約があるとはいえ、基本的にはリモート勤務も可能です。

もともとが住む場所を選ばない職種であり、このままアメリカの人材不足が加速するようであれば、国境を越えてデータサイエンティストやシステムエンジニアを確保しようとするアメリカ企業は増えていくでしょう。

実際に、GAFAと呼ばれる米国のIT関連企業大手4社は、日本人の年収がアメリカのそれと比較して安価である点に注目し、日本に拠点を置く経費を考えても十分効果が得られるとの判断で、日本企業と比べるとかなり高額の年収で日本人を採用しています。

かつて日本の製造業が安い労働力を求めてアジア各国に進出したように、アメリカの企業が、質の高い労働力を求めて日本にさらに進出してくることも十分考えられるわけです。

そうなると、日本国内においてIT人材が不足している状況下でもあり、人材の争奪戦となって、高度な知識とスキル、経験を積んだデータサイエンティストは、自身の価値に見合う収入を得られるようになるでしょう。

まとめ

デジタル技術の進歩によりグローバル化はさらに加速していますが、それは労働市場においても同じです。

語学力の向上と併せて、世界標準資格でありSQLが体系的に学べる「Oracle Master」や、Google認定資格の1つである「Professional Data Engineer」、海外と相互認証という制度を設けている情報処理技術者試験などを取得することが、海外進出への足がかりになり、より多くの年収を獲得できるチャンスをつかむ可能性が高まります。

同時にデータミックス社など、日本では数少ない本格的かつ実践的なデータサイエンスを学べるビジネススクールの受講などを通して、即戦力として使える知識や技術の習得につとめることをおすすめします。

近い将来、データサイエンティストは、日本に居ながら世界中の企業で働くことができる時代がやってくるのかもしれません。

そうなれば、日本国内においてもアメリカのように、データサイエンティストの職種別平均年収ランキングはどんどん上がっていくはずです。

以上、今後のキャリア構築の参考にしていただけると幸いです。

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