データサイエンティストになるためには? 必要なスキルや学習方法を解説
データサイエンティストとは、データを分析してビジネスに役…
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データサイエンティスト
2023.04.28
上記した年収が高くなる仕事や業界の共通点のうち、データサイエンティストが当てはまるのは 「専門性やスキルが高い」になるでしょう。所属によっては 「成果主義」が当てはまる場合もあります。
データサイエンティストは新しい職種・役割であるため、平均年収がどれくらいか、はっきりとした数字は出ていません。
たとえば、年収が高くなる50代の平均データが不明であるため、他の職種のように全世代の平均値を算出しづらいのです。
また、実際にはデータサイエンティストとして業務を行っているにも関わらず、肩書きとしてはデータアナリストやデータコンサルタントという人もいて、データサイエンティストとしての数字が出しづらいという面もあります。
厚生労働省のjobtagによると、データサイエンティストの平均年収は531.9万円になります。令和3年の民間給与実態統計調査によると、日本人の平均年収は443万円とであり、データサイエンティスト職の年収は日本人の平均年収の約1.2倍となっています。新しい職種で若い世代が多いことを考えると、これでも十分高いことがわかります。
ただしこの数字は、「令和3年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成」とサイトに但し書きがある通り、推定値です。
jobtagで「システムエンジニア」を調べると、平均年収は523万円です。しかし令和3年賃金構造基本統計調査における調査データを基に「システムエンジニア」の平均年収を試算すると、約734万円となります。このように、政府による調査であっても、統計の取り方によって数字に ばらつきがあります。
一方で、indeedなどのインターネットサイト上で公開されている求人情報などからデータサイエンティストの年収を算出すると、700 万円程度になると考えられます。
データサイエンティストは、企業のさまざまな意思決定の局面において、経験や勘に頼るのではなく、データに基づいて合理的な判断を行えるよう、データを集め、分析し、課題解決への道筋を可視化することで、決定権者をサポートする仕事です。
データサイエンティストには主に以下の3つのスキルが必要とされています。
データサイエンティストには、情報処理や数学、統計学の専門知識に加えて、分析結果をビジネスに応用するスキルも求められます。
膨大なデータからパターンを見つけ出すために、機械学習や深層学習、データマイニングなどの手法が必要になることもあります。
ビッグデータのような膨大な量のデータを分析する際には、プログラム作成やデータベースの知識が必要になります。分析方針に基づいてシステム設計を行い、それをプログラムやデータ基盤構築に落とし込み、最適なデータ分析の体制を整えます。
データサイエンティストがよく使うプログラミング言語には、統計処理や人工知能に適したPython、統計解析向けのR、データ抽出に適したSQLなどがあります。
データサイエンティストには、企業が抱える課題を把握し、データ活用によってそれを解決に導くビジネススキルが求められます。
クライアントに対するヒアリングや分析結果の報告においてはコミュニケーション能力も重要です。
課題解決に向けて他部署と連携して作業を進めることも多く、予算やリソース、進捗管理などマネジメント能力が求められることも少なくありません。
必要なスキルをすべて持ち合わせたデータサイエンティストは数が少ないため、すべてをひとりに託すのではなく、3つのスキルそれぞれに強い人材を集め、組織を形成し、総合力でデータサイエンスを実現しようとする会社も増えています。
自社で人材を集めたり育成したりするのが難しい企業の場合は、データ活用を外部に委託し、社内との連携で成果を出そうとする動きも出ています。
データサイエンティストの年収が高くなる理由として、専門性や複合的なスキルが求められる点を挙げましたが、そこには時代性もあります。
インターネットやスマートフォンの普及により、企業が収集できるデータが飛躍的に増えました。これまでも、先進的な企業の多くはデータ活用を積極的に行ってきましたが、ビッグデータの存在はその有用性をさらに高めています。
ビジネス課題の解決や新たな価値の創出に向けて、データ活用は企業の発展や生き残りのためにも必須のものとなっています。
膨大なデータを扱えるデータサイエンティストは、業種を問わずニーズが高まっています。
IT人材の不足はかねてからいわれていますが、専門性の高いデータサイエンティストは特にその傾向が顕著です。
幅広い知識とスキルを複合的に併せ持つデータサイエンティストは、多くの企業にとって重要な存在です。
即戦力として活躍できるデータサイエンティストには、好条件が提示されるケースが多くなっています。
データサイエンティスト職を募集している企業を調べてみると、下記のような業種が見られます。
・自動車メーカー
・製薬メーカー
・損害保険会社
・広告代理店
・インターネットサービス
・小売チェーン
・コンサルティングファーム
上記でさえほんの一部であり、業界の垣根なく、ほぼジャンルレスにデータサイエンティストが求められていることがわかります。
DXの推進は国是であり、今後さらに多くの業種でデータサイエンティストが求められるようになるでしょう。
経済産業省は、日本の産業界がDXが進まない今の状態のまま2025年を迎えた場合、最大で年間12兆円の経済損失が発生するという報告をあげています。いわゆる「2025年の崖」問題ですが、タイムリミットはすぐそこまで迫っています。
DXを推進していくためには、経験則や勘に頼るのではなく、さまざまな事象や状況をデジタル化してデータ分析を行い、その結果導き出された根拠のある理由を基にビジネス判断を行う体制作りが不可欠です。
日本の産業界においてDX推進の重要性が高まれば高まるほど、さまざまな業種においてデータ分析ができるデータサイエンティストが必要とされるようになります。
データサイエンティスト職は、人手不足が原因で新卒採用においても職種別採用を実施する会社が増えています。
IT関連のメガベンチャー企業を中心に、スキルに応じて通常の初任給(年収で350万円前後)より高い年収(年収で600万円以上)を提示するケースも出てきており、データサイエンティストの平均年収にも影響が出ることが予想されます。
年収は、世の中の需要と、その担い手とのバランスにも影響されるため、国策としてのDX推進により、慢性的な人手不足になることが予想されるデータサイエンティスト職の年収は、今後も上がり続けるでしょう。
DXを推進していくことは、日本の産業界が世界との競争力を取り戻すために課せられた必須の命題だといわれています。
その切り札となるのがデータ活用であり、データサイエンティストの役割はとりわけ重要です。
戦略的なデータ活用ができるようになれば、迅速かつ正確な判断によって結論を導くことが可能となり、成果として経営に影響を与え、個人の評価にもつながるでしょう。
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