データサイエンティストになるためには? 必要なスキルや学習方法を解説
データサイエンティストとは、データを分析してビジネスに役…
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データサイエンティスト
2024.04.01
まずは、データサイエンティストの役割や将来性について説明します。
データサイエンティストの役割は、データを解析し、ビジネスの課題解決に貢献できるインサイトを引き出すことです。
データサイエンティストといえば、プログラミングやデータ解析を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、プログラミングやデータ解析はあくまでもビジネスの課題を解決するための手段です。データサイエンティストは、プログラミングやデータ解析によって、ビジネスの課題を解決することが求められます。
データサイエンティストは将来性の高い職業といえるでしょう。近年、あらゆる業種においてDXが進行しています。DXとは「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)」の略称で、デジタル技術を活用してビジネスや社会、生活の形・スタイルを変えることを指します。具体的には、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して製品やサービス、ビジネスモデルを変革することです。これにより、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することを目的としています。
DXは、単なるIT化やデジタル化とは異なり、ビジネスプロセスの全体的な見直しや、新たな価値提供を目指すものです。DXには、ビックデータを活用したビジネスの改善、ビジネスモデルの変革などが含まれます。ビックデータを活用する際にはデータサイエンティストの力が欠かせません。そのため、今後もデータサイエンティストの需要は伸び続けていくことが予想されます。
データサイエンティストの仕事とはどのようなものなのでしょうか。具体的な仕事の内容について説明します。
データサイエンティストの重要な仕事の一つは、データ利活用の戦略を立案することです。
データ利活用とは、データを適切に活用してサービスや製品の改善、新たな価値の創造につなげることです。既存のデータを分析して現状把握するだけでなく、新たなデータを収集することから始めるケースもあります。データ利活用の戦略を立案する上で、最低限以下の2つを決める必要があります。
1.解決すべき課題の明確化(=目的の明確化)
2.必要なデータの明確化
特に、1の「解決すべき課題の明確化」という工程が重要です。データ利活用の目的設定にあたり、この工程をしっかり行わないと「今あるデータをとりあえず分析する」ということになってしまいます。また、必要なデータを明確化していないと、分析を始めてからデータが足りないことに気づき、再びデータを集め直すといった無駄な作業が発生します。
そのため、戦略立案はデータ利活用の成否を左右する非常に重要な工程といえるでしょう。
戦略を立案した後は、その戦略をもとに、必要なデータを収集します。必要なデータを収集できていない場合は、データを収集するところから始めます。例えば、商品やサービスを改善するためにアンケート調査を実施し、消費者の意見を収集するというケースがあるでしょう。この場合、以下のようなことを決める必要があります。
・どのような属性の方の意見を聞きたいか(性別・年齢・居住地域など)
・どのような方法でアンケートを実施するか
・サンプル数はどの程度にするか
つまり、データの内容(質・量)や収集方法を設計する必要があるということです。
既にデータが収集されている場合でも、そのままの形で分析を実施できることは少ないでしょう。分析しやすい形にするためにデータの前処理をする必要があります。具体的には以下のような処理が挙げられます。
・文字データを数値に置き換える(男性:0、女性:1というように二値化する)
・欠損値の処理(平均値で補完する、列を丸ごと削除する)
・外れ値の確認・処理(外れ値を削除するか、意味のあるデータとしてそのまま分析するかといった判断)
地味な作業ですが、後の分析の成否を決める重要な作業です。
データの前処理が完了したら、分析に入ります。具体的には、データを可視化したり、各種統計解析手法を用いたりしてデータの規則性を見出すことが挙げられます。また、機械学習の手法により、予測モデルを構築することもあります。統計解析や機械学習の手法に関する豊富な知識が求められます。
データの分析が完了したら、その結果を報告するためにレポートを作成します。報告の相手は事業部門の管理職や他社のクライアントなどで、データ分析に関する知識を持っていない場合も多いです。そのため、相手の知識レベルに配慮して、わかりやすいレポートを作成することが求められます。
データサイエンティストの役割は「ビジネスの課題解決に貢献すること」です。データ分析の結果を報告し、その上でビジネスの改善案を提案するところまでが仕事です。データ分析の結果をビジネスの改善につなげるためには、ビジネスの視点からデータを解釈し、深く洞察する必要があります。そのための前提として、ビジネスのニーズや目標を正しく理解することが求められます。
現在、幅広い業界でデータサイエンティストの活躍の場が増えています。その中から具体的な事例を3つ紹介します。
製造業界は、労働力の高齢化や人手不足という課題に直面しています。これらの問題に対処するために、データサイエンティストは生産プロセスの最適化、品質管理の向上、コスト削減などを目指して、データ利活用やDXの推進に取り組んでいます。例えば、センサーデータを活用して機械のメンテナンスを予測することで、ダウンタイムを減らし、生産性を向上させることができます。
しかし、製造業、特に長い歴史をもつ企業ではデータの利活用がほとんどされていないことが多いというのが現状です。また、システムが孤立してデータが全社で共有されていないなど、データ利活用のための環境が整っていないということもあります。そのため、データサイエンティストには、まずはデータ利活用のための基盤を整えるといった仕事が割り当てられることも多いです。これには、データの統合、クリーニング、そして分析可能な形式への変換が含まれます。
現在、エネルギー業界の新規事業企画・開発では、データサイエンスの技術の活用が進んでいます。エネルギー業界は、環境問題やエネルギー供給の安定性など、多くの社会的課題を抱えています。データサイエンスは最適化や予測分析などの手法を用いて、エネルギー業界の課題を解決するためのツールとして注目されているのです。
データサイエンスの技術を用いることで、エネルギーの供給や需要の最適化が可能になります。例えば、エネルギー需要の予測を行うことで、需要のピーク時には余剰な電力を供給することができます。また、エネルギーの使用効率を向上させるためにデータ解析を行い、省エネルギーの施策を立案することも可能です。これにより、エネルギーの無駄を減らし、環境への影響を最小限に抑えることができます。
SIer(システムインテグレーター)が、クライアントに対してデータ活用の技術支援を行う場面も増えています。具体的には、データの収集や処理、解析手法の提案などの業務を担当します。
SIerの仕事は、クライアント企業の事業内容に関する知識や、課題を解決するための論理的思考力が特に求められます。SIerは、多くのクライアントと関わりながら業務を進めるため、異なる業界やビジネスモデルに対応する能力も必要です。SIerは他社との競争が激しいため、クライアントの期待に応えるためにはクオリティの高いサービスを提供する必要があります。
データサイエンティストとして仕事をするためにはどのようなスキルが求められるのでしょうか。データサイエンティストに求められる主なスキルを4つ紹介します。
データサイエンティストにはデータ分析スキルが求められます。具体的には、以下のようなスキルが挙げられます。
1.統計解析・機械学習の手法に関する知識
2.プログラミング言語(PythonやRなど)を駆使して機械学習のアルゴリズムを実装するスキル
3.データを処理するためのスキル
上記1のスキルは、一般社団法人データサイエンティスト協会が定義する「データサイエンス力」に相当します。一方、上記2、3のスキルは「データエンジニアリング力」に相当します。データを適切に処理し、そこから知見を引き出すスキルが必要とされています。
解決すべきビジネス上の課題を理解する力も求められます。データサイエンティストの役割はビジネスの課題を解決することなので、その課題の内容を理解していなければなりません。具体的に要求されるものとして、ドメイン知識(特定の業界や業種に関する知識)が挙げられます。
ドメイン知識がなければ関係部門のマネージャーやクライアントなどとの会話が成立せず、課題の本質を理解できないということもあるでしょう。また、データ分析の際の仮説立案や解析結果の妥当性検証にも支障をきたします。そのため、データ分析のスキルを磨くだけではなく、業界や業種に関する知識も積極的に吸収し、ビジネスの課題の本質を理解することが求められます。
ビジネス上の課題を解決する力も求められます。課題解決力とは、以下のようなことを実施する能力です。
・現状の把握
・要因に対する仮説立案、検証
・要因の発見
・解決策提案
いずれの工程においても、事実とデータに基づいて論理的に進めていくことが要求されます。論理的思考力、いわゆるロジカルシンキングが求められます。
データサイエンティストには、コミュニケーションスキルも必要です。コミュニケーションスキルとは、相手の言ったことを正確に理解する能力や、こちらの言いたいことを筋道立てて伝える能力などを指します。関係部門やクライアントなどと密に連絡を取り合って業務を遂行することが多いので、コミュニケーションスキルは必須といえるでしょう。
未経験からデータサイエンティストになりたいという方に向けて、未経験からデータサイエンティストになる方法を紹介します。
データサイエンティストに必要な能力を効率的に習得する方法として、データサイエンティスト育成講座を受講することが挙げられます。データサイエンティストには、統計学や機械学習の基礎知識や、プログラミングスキルなどの専門的なスキルが要求されます。これらの知識は独学でも習得可能ですが、範囲が広いため、独学では難しいというのが現実です。
データサイエンティスト育成講座は、データサイエンティストに必要な知識やスキルを習得するためのカリキュラムが組まれているので、それに沿って学習することで体系的な知識を身につけられます。さまざまな講座があるので、ご自身のレベルや目的に合う講座を選ぶことが大切です。
例えば、データミックスでは、初学者や文系出身の方でもデータサイエンティストに必要な知識やスキルを効率良く学習できるデータサイエンティスト育成講座を提供しているので、プログラミングの経験がない方にもおすすめです。この講座は、オンラインのライブストリーミング配信授業とスクーリング(通学)授業通学のどちらでも受講できるので、社会人や多忙な方も安心です。また、授業中に直接質問することができるので、困った時にも安心して受講できます。そして、受講者同士でもやり取りをするグループワークがあることも大きな特徴です。グループワークは、特定の時間に集合授業を維持できるような生徒数を確保できないと行なうことが難しい為、導入しているスクールは多くありません。グループワークを通じて、受講者同士で考えや情報を交換することでお互いに理解を高め合うことができると共に、より実践的に学ぶことができます。
参考記事:データサイエンティスト育成講座の選び方・講座選びで失敗しないための注意点は?
関連資格を取得することも未経験からデータサイエンティストを目指す手段の一つでしょう。資格を保持していれば、未経験であっても一定の知識やスキルを有していることを証明できます。
例えば、データサイエンティストとしての実務レベルのスキルを評価するデータ分析実務スキル検定(CBAS)を取得していれば、ビジネスの現場で即戦力として活躍できるスキルを習得していることを示せます。データサイエンティストにおすすめの資格については下記の記事を参考にしてください。
参考記事:データサイエンティストにおすすめの資格は?初級からレベル別に紹介
現在、データサイエンティストは不足しているため、未経験者を対象としたポテンシャル採用を実施している企業も多いです。データサイエンスの勉強をして、関連する資格を取得すれば、ポテンシャル採用に応募して採用される可能性も高くなるでしょう。ポテンシャル採用では、主体性や学習意欲、論理的思考力を示すことが重要です。また、現職で身につけたスキルをアピールすることも有効でしょう。特に、論理的思考力やドメイン知識(特定の業界や業種に関する知識)は、データサイエンティストに求められる「ビジネス力」に相当するスキルです。データサイエンティストとして活躍できるポテンシャルを秘めた人材として評価されるでしょう。
この記事では、データサイエンティストの仕事内容や求められるスキルなどについて解説しました。
データサイエンティストには、単なるデータ分析だけでなく、ビジネスの課題解決への貢献も求められています。また、要求されるスキルも多岐にわたり、未経験から目指すのは難しい職種といえます。しかし、ビジネスの課題を解決することで、企業の業績向上に貢献できることもあり、仕事を通して大きな達成感を得られる非常にやりがいのある職業です。
将来、データサイエンティストとして活躍したいという方は、データサイエンティスト育成講座の受講を検討してみてはいかがでしょうか。
データミックスでは、初学者や文系出身の方でもデータサイエンティストに必要な知識やスキルを体系的に学習できるデータサイエンティスト育成講座を提供しています。
受講料の最大70%が支給される専門実践教育訓練の指定講座として認定されている本格的な講座で、ビジネスの現場で役立つ実践的なスキルを習得できます。
オンラインで受けられる無料の個別相談も実施していますので、「カリキュラムの詳細を知りたい」「講座を受講してみたいけれど、ついていけるか不安」という方もぜひお気軽にお申し込みください。
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