データ サイエンティストとは?必要なスキルや仕事内容について解説

データサイエンティスト

2023.08.08

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データサイエンティストという言葉を聞いたことはありませんか?近年、データサイエンティストという職業が注目されています。データサイエンティストは、ネット上などに存在する膨大なビッグデータを解析することで、新たな知見を得てビジネスへの活用をサポートする職業です。 データサイエンティストは世界中で需要が拡大しています。アメリカのビジネス雑誌『Harvard Business Review』の2012年10月号では、「データサイエンティストは21世紀で最もセクシーな職業」として紹介されて話題を呼びました。 それから10年以上たった現在、企業活動の中で蓄積されるデータはますます増加し続けており、ビッグデータを扱うデータサイエンティストの需要はより拡大しています。 この記事では、データサイエンティストの仕事内容、必要とされる技術やスキルなどについて解説します。
出典:Harvard Business Review

1.データサイエンティストとは

まずは、データサイエンティストが扱うデータサイエンスの概要や、データサイエンティストが誕生した背景について説明します。

 

(1)データサイエンスとは

 

データサイエンティストとは大量に生成されるデータから有益な知識を引き出すことができるデータサイエンスの専門家です。

データサイエンスとは、統計学や機械学習の知識を通じて、情報を適切に処理するための研究分野です。データサイエンスを使うと、ビジネスや社会の問題を解決するための新しい発見や提案ができます。例えば、マーケティングや金融、医療や教育など、様々な分野で応用が見られます。データサイエンスがカバーする範囲はとても広く、高校で学ぶような確率や統計だけでなく、理系の大学初年度で学ぶような線形代数、微分積分学、また、データの適切な加工処理方法など、多岐にわたります。データサイエンスの歴史は古く、1974年にピーターナウアが「データサイエンス」という言葉を繰り返し使用したのが一般的にはデータサイエンスの歴史の始まりとされています。その後、データマイニングやビッグデータ、機械学習などの分野が発展し、データサイエンスは現代のデジタル社会において重要な役割を果たすようになりました。

 

(2)データサイエンティストが誕生した背景

 

データサイエンティストという職業は、データの利用可能性が増大したことにより誕生しました。

 

2000年代前半までは、スマホやSNSもなく、ネットも普及していませんでした。そのような時代、企業のビジネスプランは、過去の経験や勘によって作成されていました。

 

しかし、2000年代後半に入ると、スマホやS N Sが急速に普及し、人間が生み出すデータ量が飛躍的に増加しました。このような大量のデータをビッグデータといい、ビジネスでは、いかにビッグデータを有効活用できるかが成功の鍵を握るようになりました。

 

例えば、Google社は全世界の検索履歴を分析することで、それぞれの人に適した広告を流せるようになりました。また、Amazon社は世界中の買い物履歴を分析することで、それぞれの顧客に適したおすすめの商品を紹介できるようになりました。

 

このようにインターネットの普及により、データ量が一気に拡大したことが、データサイエンティストという職業が生まれるきっかけになったのです。

 

(3)データサイエンティストの役割

 

データサイエンティストは、大量のデータを解析し、その中から有意義な情報を見つけ出し、ビジネスの発展などに役立つ新たな提案をする職業です。

経済産業省のIT政策実施機関である独立行政法人情報処理推進機構 (IPA)は、データサイエンティストの役割を以下のように定義しています。

 

“DXの推進において、データを活用した業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、データを収集・解析する仕組みの設計・実装・運用を担う人材

引用元:「デジタルスキル標準ver.1.0」(IPA・経済産業省)

 

 

データサイエンティストは調査したい対象に合わせて、データを加工します。その後、統計的手法を用いてデータを分析し、予測モデルを作成します。

次に、得られた情報をもとに今後の戦略などを提案します。多くの場合、企業の経営陣はデータサイエンスに関する専門的な知識を持ち合わせていないため、データを適切に図示したり、専門的な話をわかりやすく説明したりする能力が求められます。

 

データサイエンティストの役割として、データ分析がクローズアップされがちですが、データ分析はあくまで手段でしかありません。最も大切な役割は、得られたデータから今後のビジネスの発展のために何をするべきかを具体的に提案することです。

2.データサイエンティストの需要と将来性

データサイエンティストはなぜ今注目を浴びているのでしょうか。また今後どのように需要が変化する可能性があるのでしょうか。

データサイエンティストが注目される理由や将来性について説明します。

 

(1)データサイエンティストが注目されている理由

 

データサイエンティストが注目される主な理由は、データの活用が企業の意思決定においてより一層重要な役割を果たすようになったからです。製品開発、マーケティング戦略、顧客満足度の向上など、ビジネスの多くの側面で精度の高いデータ分析が求められています。

また、より多くの人がネットを活用するようになったため、ネット上のデータ量が爆発的に増大しました。

さらに、AIが発達したことも関係しています。2010年代から、深層学習(ディープラーニング)という新たなAIの学習方法が確立し、第3次AIブームが起きました。これに伴い、今まで技術的に不可能だった高度なデータ分析もできるようになりました。データサイエンティストは、これらの技術を駆使して、データから新しい価値を創造します。

このように、データサイエンティストはデータの時代において以前にも増して、注目される職業になりました。

 

(2)データサイエンティストの将来性は?

 

データの量が増え続けるにつれて、その解析と活用が企業の競争力を決める重要な要素となりつつあります。それに伴い、データサイエンティストの需要は今後も増大し、その役割はますます重要になると予想されます。AIとビッグデータがさらに発展することで、データサイエンティストは多岐にわたる業界で活躍することになります。気象予報や交通案内、株価予測や医療診断など、データサイエンスの応用は無限に広がっています。

 

データサイエンティストの将来性について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

参考記事:データサイエンティストの将来性・AIの進化により需要がなくなる可能性は?

3.データサイエンティストの仕事内容

データサイエンティストの仕事内容について具体的に説明します。データサイエンティストの仕事内容は大きく3つに分けられます。

 

(1)データ収集と前処理

 

データサイエンティストの作業は、多くの場合、データの収集や前処理から始まります。データの多くは、一部が欠けていたり、誤りがあったり、データの量が分析に必要なだけ存在しなかったりして分析ができない状態です。そのため、データを加工して分析できる状態にすることから始める必要があります。また、データの種類や量に応じて、最適な方法でデータを保存や管理します。

データの前処理は最も時間と労力がかかる作業ですが、分析の質を左右する重要な工程です。この業務だけでデータサイエンティストの仕事量の約8割を占めるともいわれています。

 

(2)モデル作成と評価

 

データを整理したら、次はデータから知見を引き出すための予測モデルを作成します。そして、モデルのパフォーマンスを評価し、改良します。モデルとは、データに基づいて予測や分類などのタスクを行うための数学的な仕組みのことです。最終的に、実際のビジネスで使えるレベルにまで精度を高めていきます。どのモデルを使えば精度が上がるかは実際にやってみないとわからないので、地道に試行錯誤を重ねることが求められます。モデル作成と評価は、データサイエンティストの創造性や技術力が問われる作業です。

 

(3)意思決定への寄与

 

モデルから得られた分析結果は、単に数字やグラフとして見るだけでは意味がありません。データサイエンティストの最終的な仕事は、分析結果をもとに、ビジネスにとって有益な戦略や提案を行うことです。戦略を決める際には、なぜそのような結論に至ったか、そして具体的にどのような計画を実行すればいいかを経営陣や関係者にわかりやすく伝える必要があります。

経営陣や関係者は、データサイエンスの専門知識を持たない人がほとんどなので、専門的な用語をなるべく使わずに、わかりやすく伝えることが大切です。その為、データサイエンティストは、データだけでなく、ビジネスの現状や目標にも精通している必要があります。

4.データサイエンティストに求められる知識とスキル

データサイエンティストに求められる知識とスキルは主に4つあります。

 

・統計学・数学に関する基礎知識

・データ分析のスキル

・ビジネスや業務内容を理解する力

・コミュニケーションスキル

 

それぞれのスキルについて詳しく説明します。

 

(1)統計学・数学に関する基礎知識

 

データサイエンティストには、、データを扱う上で欠かせない統計学や数学の基礎知識が必須です。データサイエンティストは大量のデータを扱います。大量のデータから分析をするには統計的手法が必要です。また、機械学習には線形代数や微分積分学などの大学初学年レベルの数学が必要です。

 

(2)データ分析のスキル

 

データを効果的に分析するためには、SQLやPythonなどを使用するスキルと、得られたデータを図示するスキルが必要となります。

SQLはデータを適切に操作するための言語です。Pythonはデータ分析に使われることが多く、機械学習の実装などを行うことができます。Excelでもデータ分析をしたり、グラフを作成したりできますが、より高度なデータ分析はSQLやPythonなどの言語を駆使して行います。

データ分析のスキルは、データサイエンティストの仕事の中核をなすスキルであり、常に最新の知識や技術を学ぶ姿勢が求められます。

 

 (3)ビジネスや業務内容を理解する力

 

データ分析の結果は、最終的にはビジネスで利用されます。そのため、データサイエンティストは、データ分析の対象となる業界の特徴やビジネスについて理解し、それをデータ分析に適用できる能力が必要です。

データサイエンスだけでなく、データ分析の対象となる業種やビジネスを理解しないと、的確なデータ分析ができません。

 

(4)コミュニケーションスキル

 

データサイエンティストには、分析結果を他のチームメンバーや経営陣に明確に伝える能力が求められます。

コミュニケーションスキルとは、分析結果の要点や根拠を明確にし、相手のレベルや興味に合わせてわかりやすく説明するスキルです。コミュニケーションスキルには、文章や口頭での表現力だけでなく、グラフやチャートなどのビジュアル表現力も含まれます。データサイエンティストは、分析結果をもとに、ビジネスにとって有益な提案やアドバイスを行うことができるようになる必要があります。

5.データサイエンティストになるための勉強法

データサイエンティストになるための勉強は主に、独学で勉強するか、講座を受講するかの2種類あります。それぞれの場合について具体的にみていきましょう。

 

(1)独学で勉強する

 

ウェブ上には、データサイエンスに必要な知識を習得するための多くのリソースがあります。データサイエンスの動画や記事などを通じて学習を進められます。

総務省も、統計学を基礎から学べる「社会人のためのデータサイエンス入門」というオンライン講座を提供しています。データサイエンスの書籍も多数刊行されているため、それらを読み進めて、データサイエンティストに必要なスキルや技能を身に付けていくことも可能です。

データサイエンティストになるための勉強法について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

参考記事:データサイエンティストになるための勉強方法|独学の方法も紹介

 

独学には、あまり費用をかけずに学習を進められるというメリットがある一方、わからないところを質問できない、モチベーションの維持が難しいというデメリットがあります。

データサイエンティストになるためには一般的に半年〜1年以上の勉強期間が必要だといわれているので、明確な目標を持って継続的に勉強に取り組むことが大切です。

参考記事:データ サイエンティストになるためにはどのくらいの勉強期間がかかるのか?

 

(2)講座を受講する

 

現在、さまざまな団体がデータサイエンティスト育成講座を開講しています。講座を受講することで、データサイエンティストに必要な基礎知識やスキルを効率的に学習できます。また、データサイエンスについて体系的に学べること、わからないことがあればいつでも質問に答えてもらえるというメリットもあります。

データサイエンティスト養成講座の受講は、独学に比べて費用がかかりますが、効率良く学習を進められます。

 

データサイエンティスト育成講座の選び方について詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

参考記事:データサイエンティスト育成講座の選び方・講座選びで失敗しないための注意点は?

まとめ

この記事では、データサイエンティストの仕事内容、必要とされる技術やスキルなどについて解説しました。

 

データサイエンティストは、データから知識を抽出し、ビジネスの意思決定を支援する専門家です。データサイエンティストとしての役割を果たすためには、統計学、データ分析のスキル、ビジネス知識、そして優れたコミュニケーションスキルなど、さまざまな技能を必要とします。

 

データサインティストは高度な技能が求められるため、データサイエンティストとして働くには幅広い分野の勉強をする必要があります。しかし、データの重要性が増している現代において、データサイエンティストは極めて重要な職業であり、その需要は今後も高まっていくでしょう。

 

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