2020.10.27
データサイエンス
データ分析の活用が進む業界というと、どのような業界を思い浮かべるでしょうか?
日本とアメリカそれぞれのデータサイエンティスト市場でどのような業界での需要が多いかについては、日本とアメリカの比較からみるデータサイエンティストの転職市場とは? という記事でご紹介しました。
本記事では、データ分析の活用が進む少し意外な業界についてご紹介したいと思います。
日本ではまだあまり馴染みがありませんが、海外(主に欧米)ではスポーツ業界でのデータ分析・データ活用がかなり増えてきており、Forbesによればスポーツアナリティクスの市場は2022年までに約40億ドルにもなるといわれています。
スポーツアナリティクスという言葉自体耳慣れない言葉かもしれませんが、既にデータ分析の中の一領域として確立されています。
1.競技の戦略
スポーツ業界のデータ分析といえばもちろん、競技の戦略に活用されます。
スポーツによって内容は様々ですが、選手の健康状態やパフォーマンス、対戦相手の過去のデータ、天気や試合会場の状態といった環境に関するデータなども使用して戦略に活かしていきます。チーム制のスポーツでは選抜メンバーの選考に選手のデータが利用されることもあります。
IoTやウェアラブルデバイスの普及によって以前よりも選手や試合の詳細なデータが取得できるようになったり、機械学習・AIなどの活用も広まり、プロスポーツ界におけるスポーツアナリティクスの存在は勝敗を左右する要素としての重要さを増す一方です。
CASE:アメリカのプロバスケットボールリーグのNBAでは全てのチームに最低でも1人のスポーツアナリストが所属し、戦略やパフォーマンスの最適化を行ったり、ウェアラブルデバイスを活用し個々の選手の健康情報を取得、疲労度などから怪我の防止や体調管理なども行っています。
それ以外でも、選手のスカウト時にはその選手のこれまでのプレイ動画などを分析し将来性を予測、高い契約金を支払って優秀な選手を獲得する上でのリスクを極力減らすなど、既にNBAではスポーツアナリティクスが必要不可欠な存在になっています。
2.収益の最大化
競技の戦略やパフォーマンス以外にも他の業界や企業同様、様々な収益をあげるためのデータ分析活用も進んでいます。
Webサイトの運営やオンラインでのグッズ販売、店舗販売の在庫管理であったり、チケット価格の変動調整などにもデータ分析は利用されるなど、収益を最大化するための取り組みに積極的に利用されています。スポンサー向けに各試合の広告効果などを数字で示し、チームを売り込むためにデータ分析を活用しているケースもあるようです。
CASE:有名サーフブランドのRipcurlはこれまで社内で管理していたデータを全てクラウドに移行し、BIツールの活用などを始め、AIや機械学習も駆使し各店舗の売り上げデータやオペレーションなど管理の一元化・最適化に取り組み、データドリブンな企業へと変化を遂げています。
3.ギャンブル
スポーツをする側だけではなく、観る側もデータ分析を活用しています。
こちらについては、特に有名な人物や団体がいるわけではありませんが、世界中のデータ分析スキルを持った人々がギャンブルによる一攫千金を夢見て、入手可能なデータを元に様々な手法・予測モデルを使いより高い勝率を目指し試行錯誤しています。その手法や結果についてブログで公開・考察している人も多くみかけ、中には実際にそれなりの成果を出している人もいるようです。
日本でも既に、競馬や競艇といった公営ギャンブルにデータ分析を活用し勝敗を予測している人達がいます。実際に賭けるかどうかはさておき、データ分析スキルの腕試しや勉強の息抜きとして、入手可能なデータを使って実際に勝敗の予想に挑戦してみるのは楽しいかもしれません。
スポーツアナリティクスが既に一つの分析領域として確立している欧米ではスポーツアナリストやスポーツデータアナリストという呼び方は既に職種名として認知され始めてきました。
大学のデータサイエンスやMBA、スポーツ関係の学位が取れるコースの中でスポーツアナリティクスの講義が受けられるようになってるところがあるばかりか、スポーツアナリティクスの学位が取れる大学まであるようです。
日本では一般社団法人日本スポーツアナリスト協会(JSAA)という 団体が2014年から活動し毎年「SAJ(スポーツアナリティクスジャパン)」というカンファレンスを開催しているほか、今年(2020年)の7月にはスポーツの課題解決をサポートしていくSPORTERIA(スポーテリア) というWebサイトをデータスタジアム株式会社が立ち上げました。これから徐々に日本国内でもスポーツ業界でのデータ分析活用は盛り上がりを見せていくかもしれません。
もし興味があればぜひ参考にしてみてください。
データサイエンスの知識やスキルに加えて、スポーツアナリティクスについても勉強しておけば、スポーツアナリストとして日本での先行者になれるチャンスがまだあるかもしれません。スポーツアナリストに必要なスキルとして、データサイエンススキルは欠かせません。
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