「データサイエンティスト育成のフロンティア」 立川 裕之

データサイエンス

2020.02.27

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「データサイエンティスト育成のフロンティア」 立川 裕之

トップセールスからデータサイエンティストへ転身。

「人の教育」のあり方までも変えていきたい。

データミックス受講生から、データミックスの社員・インストラクターへ

  • 立川 裕之 プロフィール

<データサイエンス事業本部 コーポレートソリューションチーム シニアデータアナリスト>

大学では経済学を専攻し卒業してバンドマンに。その後、不動産会社の営業から企業人をスタート。次の大手通信会社では法人営業としてトップセールスから営業企画職へ異動。その際データ活用の重要性を感じ、データミックスのデータサイエンティスト育成コースでスキルを身につけ、2018年データミックスに入社。データサイエンスの講師として、新たな「人の教育」のあり方に高い関心を持つ。現在は講師として活躍しつつ大学院を目指して勉強中。

「Never too late to start(何かを始めるのに遅すぎることはない)」というのが、立川の信条。

その仕事人生は周回遅れのスタートだった、と立川は語る。しかし、持ち前の企画力と行動力に、データサイエンスが加わった時、その世界は大きく広がり、立川のパワーは一気に増大しはじめた。

大手通信企業の法人トップセールスへ駆け上がりながら、 これからのデータサイエンスの重要性を実感した。

大学卒業時はリーマンショック直後でちょうど超就職氷河期に突入した頃でした。就活が「面倒臭い」と思ってバンドマンをやることにしたのですが、もともとバンドをやっていた訳ではないので親は唖然としていました。

3年ぐらいたった頃に、たまたま会った大学の友人が、いっぱしの社会人になっていて「ちょっと俺やばいな…」と。他にも身の回りで色々思うところがあり、やっと働くことにしたのが25歳の時です。転職サービスに申し込んでエージェントに「エンジニアになりたいんです」と言ったのですが「向いていると思ったから」と伝えたら相手にすらされませんでした。当然ですよね、経済学部で実務経験もなく個人開発をやっているわけでもないのですから。すぐに次の戦略を考えて「きつい営業をする」ことにしました。きつければ時間短縮できるだろうと考えたわけです。就職もしやすいですしね。入社したのが不動産会社の営業だったのですが、これが本当にきつくて…。詳しく話すと長くなるので割愛しますが、本当に辛かったです…。

3年そこで営業をやって、大手通信会社の子会社に転職しました。法人向けに通信サービスを提供する会社だったのですが、私はSaasのプリセールスチームに所属していました。全国飛び回っていたので体力的にかなりきつかったのですが、チームではトップの成績で社長賞をもらうこともありました!

その後、営業戦略を統括する部署へ異動になり、Saas製品の主幹担当者になりました。責任の範囲が個人から全社に変わり、考え方を変えなければならなくて結構苦労しましたね。営業、マーケティング、サポートetcあらゆる部門への調整ごとが多く、新規サービスの開始も2度ありましたが、幸いにも周りの人に恵まれて結構良い売上を作って終わることができました。この仕事では営業現場の経験は大いに役立ちましたね。だんだんと全体の数字を見るだけで、なんとなくですが現場の雰囲気を感じるようになりました。もちろんわからないことも多々あって、その時は直接電話したり現場に赴いたりしていました。

この時期ですね。データサイエンスが私の中で「バズワード化」し始めたのは。

面白そうだと思って調べているうちに、この仕事は「データの背後にある現象」をどれだけ想像できるか、またデータ分析によって得られた情報をどうやって「ビジネスの現場に適用するか」といった数理やITとは別の「泥臭い仕事」が重要になるだろうと捉えていました。まさに今まで私が苦労してきた経験が活きるはずだと思いましたし、需要もこれから拡大していくことは間違い無いので、実務経験がなくてもこの世界に滑り込めるのではないかと、そうすればプログラムを多少は書くような仕事にありつけるのではないかと、滑り込めばなんとかなるという根拠のない自信もあったので挑戦することにしました。そこでまずは独学を試みたのですが、すぐに諦めてしまいました。正直、何から手をつければ良いのか全くわからなかったんですね。独学は諦めてデータミックスのデータサイエンティスト育成講座に通うことにしました。

データミックスの受講生から、データミックスに入社しデータサイエンティスト、そしてインストラクターの道へ

受講生としてデータミックスの講義を受けて感じたのは、かなりハードだったというのが私個人の感想。受講して二日目にやったのが、勾配降下法(機械学習の”学習”アルゴリズムの1種)をNumPyというライブラリをフルスクラッチで作るというものでした。プログラミングも数学も全然わからないので、外国語で別の外国語を学んでいるようなもので、とても難しかったですね。他にも統計のカリキュラムも、大学で統計をやっている方からすると「ここまで学ぶの?」とよく驚かれますね。データミックスの講義カリキュラムはこまめに更新しているので、私が通っている頃とは変わっていますが、やはり今でも難しい部分もあるので、通われている受講生の大変さには心から共感しますし、私も全力でサポートをしています。受講生の方の頑張っている姿には本当に尊敬します。

データミックス卒業後はすでに前職も退職していたにも関わらず、転職活動をせずふらふらしていました。その折に、データミックスからコンサル案件(法人に提供するデータ分析サービス)の作業依頼をもらいました。あとで知ったことですが、絶対にやらねばならない案件なのに、たまたま誰も対応する時間が取れない状況だったようです。これがいいインターンになり入社することになったわけです。

理解することと、教えることはまったく違う。 受講生だった自分の講義スタイルは、いちばん面倒くさい受講生であれ。

その後、コンサル案件を担当しながら講師デビューに向けて準備をしていたのですが、心がけていたのは自分がいちばん「面倒くさい受講生」なることです。「面倒くさい受講生」というと語弊があるかもしれませんが、自分自身が受講生の気持ちになり、「そんなことまで聞く?」というような質問をする力が誰よりも高ければ、それに答えられるように準備できるだろうと。と、口で言うのは簡単ですが、めちゃくちゃ勉強と練習をしました。

ただ救いだったのは、周りにいる先輩が講師なので、質問すればわかりやすく教えてもらえます。そして何よりみんなずっと勉強しているんですよね。社長の読書量とか異次元ですよ。初学者としては最高に恵まれた環境ですよね。ありがたい…。

新しいことへの挑戦は、それがいつであっても素晴らしい

データミックスのスクールに来られる方の大半は、本業のお仕事をこなしながら通っていらっしゃいます。中には60歳を超えた受講生もいらっしゃいました。日本は他のOECD加盟国と比較しても成人になってからの大学進学率が非常に低いんですよね。データミックスは民間企業なので大学と比較する必要もないのですが、要は大人になってから新しいことを勉強する人たちって社会的にはマイノリティなんですよ。そんな中、それなりのお金と時間をかけて新しいことを学ぼうとする姿勢ってすごいと思いませんか?受講生は、みなさんそれぞれのビジネス経験をお持ちで私も非常に勉強になりますし、本当に尊敬できる受講生の方ばかりです。

それでも先に話した通り、講義の中には難易度の高い講義もありますので「自分だけがこんなにわかってないのかなぁ」とか「これじゃ仕事では使えないですよね…」みたいな感じでネガティブになってしまう方もいらっしゃいます。私は「あなたならできます」と励ますことが、講師として一番重要なことではないかと最近は考えています。もちろん、理論的に正しいことを正しく伝えるとか、実務を想定して教えるとか、わかりやすく話すとか、最低限必要な技術はあります。ただそれだけではなく「これからもやってみよう!」と思ってもらえるよう応援しつつ、しっかり向き合う事も大切にしています。それは、ビジネス経験が豊富な受講生の方々はデータサイエンス”だけ”をやっていた人よりも活躍する可能性を秘めていると、私は本気で思っているからです。出来ないことをあまり悲観的に捉えず、我々を頼っていただきたい。データ分析は「データの背後にある現象を想像する」力や「ビジネスの現場に適用させる」力は、受講生それぞれの過去の経験が必ず役立ちます。データ分析と経験が結びつき、卒業後データサイエンティストとして成功されている方も、私はたくさん知っています。

データミックスの受講生は本当に努力家で、時間外に集まって勉強会をされている方もいますし、卒業後に集まって継続的に勉強している方もたくさんいらっしゃいます。本当にすばらしく優秀な方々なので、これからの活躍が本当に楽しみですね。

データサイエンティスト として描く夢は?

正直ずっと行き当たりばったりで人生選択をしてきたので、夢というほどの特別な思い入れはないのですが、今は教育系の大学院に行きたいと思って勉強中です。私自身、いい加減に人生選択をしてしまったんですが、結構なんとかなるもんなんですよね。だからもっと自由に人生選択ができる世の中であってほしいと思っています。そうするとやっぱり「教育」と「新しい挑戦」は切り離せないので「教育」そのもののをもっと勉強して、世の中の大人がもっと楽しく効率的に学べる方法を開発していきたいと思っています。

時々欧米諸国と比べて日本の教育が遅れているとの指摘を見かけます。確かに教育に関する研究はイギリスやアメリカは非常に進んでいますが、じゃあ教育現場に落とし込まれているかというと、実はそれほどでもありません。逆に言えばすでに研究でわかっていることを用いるだけでもかなりの進歩になるということ!

教育って実はかなり学際的な学術分野なので、心理学なども当然入っていますし、ずっと昔からデータサイエンスなんですよね。最近はデジタル化が進んでいるので、機械学習的な方法論も少しずつ用いられるようになってきました。

データミックスの卒業生の多くはデータ分析の専門職種ではなく、『本業×データサイエンス』で活躍されてます。私もいち卒業生として『教育×データサイエンス』で社会に貢献できるよう頑張っていきたいと思っています。

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